出版社内容情報
現代社会において,悪はいよいよ魅力を増してきている.本書は悪の根源的な姿を「存在の否定」「生命的なものの否定」として批判し,スピノザからドストエフスキー,レヴィナスまでを射程に,悪の具体的な現象学を展開する.
内容説明
人類史の転換期を生きる戦略。現代における悪の現象学。
目次
第1部 なぜ悪の哲学なのか(悪の哲学は可能か―悪の哲学・序説;悪の魅力と存在の過剰;きれいはきたない―生の“イリヤ”と穢れ;祓われる罪/透明化する悪;「黙示録」と権力本能)
第2部 ドストエフスキーと悪(『悪霊』の世界と「黙示録」;二人の反ヒーローと理不尽な世界―「大審問官」と決疑論(上)
神の義と人間の救済―「大審問官」と決疑論(下)
悪のブラックホール―“パテーマ大全”としての『白痴』(上)
イノセンスの弱さと強さ―“パテーマ大全”としての『白痴』(下))