出版社内容情報
足尾鉱毒事件を通じて強大な明治国家権力と対峙するに至ったこの異色の大思想家の言説を7巻に集約.20巻全集の成果に依拠し,〈破壊された谷中村の復活=日本国の復活〉の構想に至る生涯の思索の跡をたどる.
内容説明
正造の衝撃的な直訴により鉱毒反対の世論は盛り上がるが、政府は鉱毒問題を治水問題にすり変え、水害常襲地の谷中村の廃村=遊水池化を打出す。かくて日露戦争さ中の1904年7月、正造は「鉱毒の埋葬地」谷中村に入った。本巻では1907年までを扱い、強制破壊された谷中村の復興にかける「抵抗」の思想の展開を追う。