出版社内容情報
『クラテュロス』は名前(あるいは広く言語)の本性に関する論争のなかに,多くの語の語源分析を盛りこんだ異色の作品.『テアイテトス』は知覚の問題,記憶の問題,虚偽の判断の問題などとの関連のもとに,知識の成立基盤を批判的に問う.認識論における古典中の古典.
目次
クラテュロス
テアイテトス
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
記憶喪失した男
9
ヘラクレイトス思想がわかると聞いて中古で買って読んだのだが、「クラテュロス」に書いてあったのは「同じ川の流れに二度と足を踏み入れることはできない」程度であって、万物流転についての思想はぜんぜんわからなかった。「テアイテトス」は名作だと思うが、文庫で読んでるんで割愛。2018/02/28
いとう・しんご
5
「クラテュロス」所記と能記の間の必然性を神話的な語源論などを駆使しながら主張しようとする議論を通してイデア論が垣間見える。記号論と認識論が渾然としているのでちょっと分かりにくいし、延々と続く語源の話しはプラトン自身どこまでホンキだったんだろう、という感じでした。「テアイテトス」文庫で読んだことがあり再読。知識とは、虚偽(錯誤)とは、という問いを巡る議論で、論点が次々と提示されるが、全体としてアンチノミーとアポリアにハマっていく印象でした。2026/01/17
ロロ
5
『クラテュロス』は「名前について」。クラテュロスの意見としては名が本質を表すというように言っているのだけれど、それに対してソクラテスは名前が誤謬していることもあるのでは、それより実体から本質を捉えるものではないか?と疑問をぶつける。さらに、クラテュロスの言う「流動性」に対する矛盾(名前が本質を表すのであれば本質が常に変わるのはおかしい)をすかさず指摘する。『テアイテトス』は知識についてテアイテトスが10代後半の頃にソクラテスと対話した時の話。2013/06/30
梧桐
4
名前について。名前がそのものの性状を規定するとしたら、キラキラネームは相当まずいものだと感じましたね。その名前の意味、本当に真剣に考えてるんですか、と。それともう一点、名前は性別を区別するのに有用であるということにも思いました。逆に言えば、性同一性障害などの人は、名前で苦労することも多いのではないか…と。2016/04/18
boya
4
クラテュロスは「名前」の成立要件と効用について。「名詞」が世に出された瞬間、といえば感動的だが、ギリシア語がわからないため中盤までかなりの退屈さがある。クラテュロスも全然でてこないし(前置きだけで全編の半分以上)。 テアイテトスの副題は「知識について」。これまで読んだプラトン作品の中でも指折りの難解さだった。というのも、定義のテストが多くほぼ脱線しており、1週間も空けると論旨の確認のために再読を余儀なくされるため。個人的な盛り上がりは、テアイテトスが初めに唱える「感覚=知識」説(からのプロタゴラスの実有2015/05/03




