出版社内容情報
ジェンダー分析はおもしろい!古代から中世、近代、そして現代に至るまで、気鋭の女性史研究者たちが、男女の関係を軸に注目のテーマを分析し、これまで見えてこなかった新しい歴史像を掘り起こす。1990年代から本格的に導入され、女性史研究を深化させたジェンダー分析の成果と手法をわかりやすく紹介する入門書。
内容説明
「男らしさ」「女らしさ」の固定観念をはねのけて史資料を読み解くジェンダー分析は、女性史研究に導入されて以来、歴史に新たな光を投げかけてきた。埴輪や遊廓、男女別学にLGBT、一度は聞いたことのあるテーマも、ジェンダー分析を用いればみるみるうちに異なる姿を見せはじめる。気鋭の研究者たちが最新の成果と手法をわかりやすく紹介する入門書。
目次
序 ジェンダー分析はおもしろい!
第1部 古代から現代へ(古代―リーダーの条件は性別不問;中世―先駆者としての女性;近世―「家」がもたらす葛藤と歪み;近現代―ジェンダー秩序の形成/固定化/揺らぎ)
第2部 テーマと方法(男性史の方法とその可能性;「LGBT」史研究と史資料;商業的性搾取に抗する闘いの歴史)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
jamko
11
「性差の日本史展」に興味持った人にはぜひぜひおすすめ。ジェンダー視点によって歴史が全く違う一面を見せるの面白いし、戦時下の女性画家たちや男性学についてなど初めて知ることも多い。古代史においては「そもそも天皇は男子であるべき」という強烈なジェンダーバイアスの上で女帝について研究がなされていたり、長らく存在意義を無視されてきた女官が実は政治的ポストであったこと。家父長制未発達の段階で取り入れた中国の律令制が引き起こしたギャップ。→2021/05/17
てくてく
7
比較的新しい研究視点を取り込んだ女性史テキスト。手本とした中国とは異なり古代日本においては女性を政治から排除する意思はそれほど強くなかったこと。古墳の副葬品から推測する古代社会(男女ともに表舞台にいた)単なる財産を守るためだけではなかった女「院」、娼妓解放令で解放された女性のその後などが特に面白かった。2021/08/19
大正琴
1
面白かった。 古墳や額田王、彰子などから現代まで、ジェンダーで見た歴史について書いてある本。 今まで当然とされてきた事が、そうではないという事がたくさん書いてあった。 今までの見方をひっくり返そうという試み自体が、意欲的で爽快で野心的で面白く、さらにそこから出てくる事実も興味のあるものばかりだった。 ただ、最後のものだけはセックスワーカースタディーズの方が良かった。 額田王は、なぜ王なのか、女性なのに女王ではないのか、から始まる一連の流れは本当に引き込まれた。2021/06/14
瀬希瑞 世季子
1
男性性を複数の権力関係の集合体ととらえ軍人、青年、下層労働者の三つに分けて分析する加藤氏の論考は興味深かった。2021/06/05
Go Extreme
1
ジェンダー分析はおもしろい 古代―リーダーの条件は性別不問:女官は、なぜ古代社会で活躍できたのか 古墳時代の首長と女性人物埴輪 中世:中世を導いた女院たち 檀那と呼ばれた尼たち 近世:浄瑠璃・歌舞伎から読み取るジェンダー 近現代―ジェンダー秩序の形成/固定化/揺らぎ:女性画家の描いた「銃後 絵本にみる主婦/労働者としての母親像 共学論争からジェンダーに敏感な教育へ 地域女性史における聞き書きの可能性 テーマと方法:男性史の方法とその可能性 LGBT史研究と史資料 商業的性搾取に抗する闘いの歴史 2021/04/22
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- 和書
- 完訳紫禁城の黄昏 〈下〉