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  • サイズ 46判/ページ数 332p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784000614405
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

小説家・マッツ夢井のもとに届いた一通の手紙。それは「文化文芸倫理向上委員会」と名乗る政府組織からの召喚状だった。出頭先に向かった彼女は、断崖に建つ海辺の療養所へと収容される。「社会に適応した小説」を書けと命ずる所長。終わりの見えない軟禁の悪夢。「更生」との孤独な闘いの行く末は--。
装丁:鈴木成一


■ 推薦のことば

筒井康隆
これはただの不条理文学ではない。
文学論や作家論や大衆社会論を内包した
現代のリアリズム小説である。
国家が正義を振りかざして蹂躙する表現の自由。
その恐ろしさに、読むことを中断するのは絶対に不可能だ。

荻上チキ
息苦しいのに、読み進めずにはいられない。
桐野作品の読後には、いつも鈍い目眩が残ると知っていても--。
自粛によって表現を奪い、相互監視を強める隔離施設。
絶巧の文章が、作中世界と現実とを架橋する。

石内 都
個人的な価値観、個人的な言葉、個人的な行動をもとにして作品を創る。
それは自由への具体的な希求であり表現だ。
その基本がいつの間にか奪われ拘束される。
『日没』は桐野夏生でさえ越えられない身のすくむ現実がすぐそこにあることを告げる

武田砂鉄
絶望の中でも光を探すことができる、と教わってきた。
だが、この物語にそういう常識は通用しない。
読みながら思う。今、この社会は、常識が壊れている。
どこに向かっているのだろう。もしかして絶望だろうか。


■ 著者のことば
私の中の「書かなくてはならない仕事」でした。
桐野夏生


■『日没』Twitterアカウント
? @nichibotsu2020

内容説明

あなたの書いたものは、良い小説ですか、悪い小説ですか。小説家・マッツ夢井のもとに届いた一通の手紙。それは「文化文芸倫理向上委員会」と名乗る政府組織からの召喚状だった。出頭先に向かった彼女は、断崖に建つ海辺の療養所へと収容される。「社会に適応した小説」を書けと命ずる所長。終わりの見えない軟禁の悪夢。「更生」との孤独な闘いの行く末は―。

著者等紹介

桐野夏生[キリノナツオ]
1951年、金沢生まれ。93年「顔に降りかかる雨」で江戸川乱歩賞受賞。99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞。『ナニカアル』で10年、11年に島清恋愛文学賞と読売文学賞の二賞を受賞。1998年に日本推理作家協会賞を受賞した『OUT』で、2004年エドガー賞(Mystery Writers of America主催)の候補となった。2015年、紫綬褒章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

795
最初から最後の1行に至るまで徹底して恐ろしい小説だった。しかも、物語の時間の経過とともに(当然主人公の境遇にも変化があるのだが)私たち読者が持つ不安の質も変容してゆくのである。冒頭はカフカや安部公房を思わせるが、そこからは一気に桐野夏生の小説世界に突き進んでゆく。この作品を書いた当時、桐野は齢70歳に近いはずだが、凄まじいばかりの情念とエネルギーである。しかも「書くこと」の意味を自らに問いかけつつも、あのエンディングを選ぶ。これまでの桐野にも通底しつつ、しかしこれは全く新しい境地に踏み込むものである。2022/02/27

starbro

555
桐野 夏生は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者の新境地でしょうか、本書は作家ブラックユーモア不条理ホラーでした。スティーブン・キングの「ミザリー」に通ずるものがあります。作家の先生達は、本書をどのような気持ちで読むのでしょうか(笑) 作中作、【読メエロ部】的作品、木目田 蟻江の「みつねむる」を読んでみたい。 https://www.iwanami.co.jp/sunset/2020/11/12

bunmei

464
世の陰の部分を浮き堀にする印象の桐野作品。今回はどうしようもないくらいのイヤミスで、主人公を除く登場人物が嫌悪感満載のキャラクター。主人公が崩壊していく様をリアルに描写している。設定にはやや無理もあると感じながらも、『表現の自由』というテーマにおいては、日本学術会議の拒否問題とリンクしてしまう。本当にこんな国家権力が、日常を侵し始めているのか…。作家・桐野夏生が、本書を書こうとした背景には、執筆活動に際して、何か蟠りがあったのではないのかと勘ぐってしまう。あまりに衝撃的なラストに、言葉もなく本を閉じた。 2020/10/28

まこみや

432
私に赤紙が来たら、鉄砲をとって人を殺すのだろう。それが嫌なら他人に殺されるか、さもなくば自死するしか道はない。『日没』を読みながら浮かんできたのはそのようなことだ。妄想だと人は笑うかもしれない。しかし特定秘密保護法から学術会議任命拒否、2020年の東京オリンピック中止という歴史の流れは、戦前の治安維持法から滝川事件、1940年の東京オリンピック中止という歴史にダブって見える。腹立たしいのは、お偉方は以前もそうだったし、今度もまた、自死も責任も取る気はないということだ。ツケは全てこちらに回される。2020/11/23

パトラッシュ

405
読み終えて疑問点が四つ。❶作家に「まともな」作品を書かせる政策がヘイトスピーチ禁止法から始まったとする点。何の反対もなく突然実行されるのは、さすがに無理がある❷拷問に等しい処置を受ける存在として、マッツ夢井は小物すぎる。はっきり言って彼女をヒロインにした意味がわからない❸療養所の面々が所長の多田を筆頭に自分の頭で考えることを放棄した者ばかり。命令に忠実なだけの収容所官僚を魅力的に書けないと思うが❹マッツを死に追いやるのが転向した作家たちというのが唐突。むしろ彼らがなぜ転向したのかという点が重要ではないか。2020/10/27

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