出版社内容情報
ホッブズ、ロック、ルソーら近代の主要な思想家たちは、近代国家成立の論理として社会契約論を創出した。しかし、社会契約を締結する前に、女性の男性への従属を定める性契約が締結されたと考えなければ、近代国家の成立は説明できない。政治理論から抜け落ちてしまった性契約に光を当て、近代国家論を描き直した名著。
内容説明
近代国家成立の論理として社会契約論は提唱された。しかし、女性をも含んで近代国家の構造を説明するには、社会契約の前に、女性の男性への従属を定める性契約が締結されたと考える必要がある。政治理論から抜け落ちてしまった性契約に光を当て、近代国家論を描き直した名著。
目次
第1章 契約に参加する
第2章 家父長制についての混乱
第3章 契約、個人、奴隷状態
第4章 創始、父、そして息子たちの政治的自由
第5章 妻、奴隷、賃金奴隷
第6章 フェミニズムと結婚契約
第7章 売春の何が悪いのか
第8章 物語の終わり?
著者等紹介
ペイトマン,キャロル[ペイトマン,キャロル] [Pateman,Carole]
1940年英国生。1971年オックスフォード大学で哲学博士号取得。シドニー大学等を経て、UCLA政治学部教授に就任。現在、同大学特別名誉教授。世界的に著名な政治学者であり、1991‐94年世界政治学会会長、2010‐11年アメリカ政治学会会長を歴任。専門は政治思想
中村敏子[ナカムラトシコ]
1952年生。東京大学法学部卒業後、東京都職員を経て、1988年北海道大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。法学博士。現在、北海学園大学法学部教授。専門は政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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