内容説明
類人猿の故郷はアフリカの熱帯多雨林だった?人類の祖先は森林から開けた土地に出て、二足で歩くようになった?一九九九年九月、日本の霊長類学の創始者の一人である伊谷純一郎は、乾燥疎開林こそが人類誕生の舞台であったと見定め、その証をアフリカの植生史に求めて彼の地に降り立った。人類研究史を振り返りながら、新しいアプローチで人類進化の根本を問い直す最後の旅の記録。病床で将来の研究者に向けて綴った絶筆。
目次
1 新しいアプローチ(人類進化研究小史;一九九九年、人類誕生の大陸への旅の前に ほか)
2 ジャケツイバラ帯を求めて(東アフリカの植生概観;一九五八年、はじめてのアフリカの回想と今回の旅 ほか)
3 アフリカにおける古人類学の現在(スグタ・ヴァレーの底;古人類学とケニア国立博物館 ほか)
4 ミオンボ林をゆく―空からの旅(タンザニアへ;懐かしのタボラ ほか)
5 仮説立証のために―多分野にわたる研究テーマ(イティギ・シケット;キクングの中 ほか)
著者等紹介
伊谷純一郎[イタニジュンイチロウ]
1926年鳥取市生まれ。京都大学理学部卒業。人類学専攻。京都大学・神戸学院大学名誉教授。英国王立人類学会トーマス・ハックスリー記念勲章受章(1984年)。2001年逝去
伊谷原一[イダニゲンイチ]
1957年京都府生まれ。伊谷純一郎の長男。理学博士(京都大学)。京都大学野生動物研究センター教授、公益財団法人日本モンキーセンター附属世界サル類動物園園長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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