内容説明
激動の中世の幕開けとなった平治の乱。その悲劇の顛末を流麗かつ雄勁に物語る『平治物語』には、王朝中心の発想から武家中心の発想へと、時代のなかで改変されていく人びとの意識が刻み込まれていた。その創造の秘密とつきない魅力を、待賢門の合戦、義朝の最期、常葉都落ちなど、名場面の読みをとおしてさぐる。
目次
第1講 忠臣の形象(平治の乱の経緯;「武」の重視―物語の序文;清盛帰洛―反乱鎮圧者の登場;光頼卿参内―朝廷への忠義;清盛像の真実―王朝維持を望んでいた原作者)
第2講 大内裏の攻防戦(追討軍進発;悪源太義平と重盛の対決―待賢門合戦;追討軍引きあげ;体験談の影―物語の素材;成立期と作者圏)
第3講 源氏の悲劇(義朝の最期―金王丸の報告談;常葉の都落ち―母として;六波羅出頭―娘として;常葉譚の成立事情―盲女の語りと清水寺;作品の全体像)
著者等紹介
日下力[クサカツトム]
1945年生まれ。早稲田大学名誉教授。日本中世文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
-
- 和書
- ガンジー自伝 中公文庫