出版社内容情報
「記憶」は「和解」や「赦し」を可能にするのか.戦争の記憶を哲学はどのように語ることができるのか.アーレント,レヴィナス,京都学派など国内外の思想を批判的に読み直しつつ,戦後精神の忘却と空白を問う.歴史修正主義や戦後責任,歴史認識を考えるときの必読書.
内容説明
「記憶」は「和解」や「赦し」を可能にするのか。戦争の記憶を哲学はどのように語ることができるのか。出来事から出発し、出来事をめぐって哲学するとはいかなることか。アーレント、レヴィナス、京都学派など国内外の思想を批判的に読み直しつつ、安易な「物語」への回収を許さない体験・証言と向き合い、戦争の記憶とその語られざる「声」に耳を傾ける思考のあり方を問う。歴史修正主義や戦後責任、歴史認識を考えるときの必読書。
目次
第1章 記憶されえぬもの語りえぬもの―アーレントから『ショアー』へ
補論 アーレントは“忘却の穴”を記憶したか
第2章 “闇の奥”の記憶―アーレントと「人種」の幻影
第3章 精神の傷は癒えない
第4章 満身創痍の証人―“彼女たち”からレヴィナスへ
第5章 “運命”のトポロジー―“世界史の哲学”とその陥穽
著者等紹介
高橋哲哉[タカハシテツヤ]
1956年福島県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得。専攻は哲学。南山大学講師等を経て、東京大学大学院総合文化研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Sumichika3
15
ずいぶん前のこと、学部生の頃に読んだが、そのうち読み直してみたい。2017/01/24
Sin'iti Yamaguti
0
あったことをなかったことにしたいという権力側の意図が露骨な昨今である。ただ、記憶や証言(あるいは証言不可能な証言)の力をエチカ(倫理)によって普遍化させることがどう可能なのか、本書では十分に考察されているようには思われない。 [出版社による内容紹介] 「記憶」は「和解」や「赦し」を可能にするのか。戦争の記憶を哲学はどのように語ることができるのか。出来事から出発し、出来事をめぐって哲学するとはいかなることか。アーレント、レヴィナス、京都学派など国内外の思想を批判的に読み直しつつ、安易な「物語」への回収を許さ2013/09/18
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