出版社内容情報
戦後日本の特質の一つとされる「中流意識」.しかし,その意識は必然的に異質なものの排除をともなってきた.戦争,国民国家,資本主義,民主主義――さまざまな要因がからみあいながらつくり出される境界の外部を排除することによって成立してきた戦後日本社会の姿を,境界に生きた人びとの姿を積み重ねながら照射する.
内容説明
戦後日本の特質の一つとされる「中流意識」。しかし、その意識は必然的に異質なものの排除をともなってきた。戦争、国民国家、資本主義、民主主義―さまざまな要因がからみあいながらつくり出される境界の外部を排除することによって成立してきた戦後日本社会の姿を、境界に生きた人びとの姿を積み重ねながら照射する。
目次
戦時から戦後へ―ひとつの「境界」論の試み
1 移動する境界(引揚者をめぐる境界―忘却された「大日本帝国」;戦後日本をめぐる人の移動の特質―沖縄と本土の比較から)
2 強いられる境界(戦後在日朝鮮人の生活と日本社会;戦後子ども論;作文と歌と欲望された「日本」―沖縄戦後世代の模倣と鏡;差別の諸相)
3 戦争がつくる境界(戦争と日本経済;原爆被害者と「戦後日本」―被害意識の形成から反原爆へ;終わらない戦後)
「現在」からの問い
著者等紹介
安田常雄[ヤスダツネオ]
1946年生。神奈川大学特任教授。近現代日本思想史
大串潤児[オオグシジュンジ]
1969年生。信州大学准教授。近現代日本史
高岡裕之[タカオカヒロユキ]
1962年生。関西学院大学教授。近現代日本史
西野肇[ニシノハジメ]
1969年生。静岡大学准教授。近現代日本経済史・経営史
原山浩介[ハラヤマコウスケ]
1972年生。国立歴史民俗博物館准教授。近現代日本史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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