出版社内容情報
古代日本の社会・国家・文化を考えるための歴史情報の宝庫である寺院.その実像に多角的に光を当てる.
内容説明
寺院は、古代日本の社会・国家そして文化を考究するための豊かな歴史情報の宝庫だ。六世紀末の飛鳥寺の創建に始まり、律令体制の形成と歩を共にしつつ、奈良・平安時代へと独自の展開をとげていった古代寺院の多様な実像を、文献史学・歴史考古学・美術史学・建築史学の最新研究の成果から明らかにし、後代に及ぼした影響や歴史的意義を論じる。
目次
“古代寺院”への招待
古代寺院の生態
遺跡からみた古代寺院の機能
古代寺院の仏像
寺院建築と古代社会
古代寺院のネットワークと人々
座談会・“寺院史”研究の可能性
著者等紹介
吉村武彦[ヨシムラタケヒコ]
1945年生。明治大学名誉教授。日本古代史
吉川真司[ヨシカワシンジ]
1960年生。京都大学教授。日本古代史
川尻秋生[カワジリアキオ]
1961年生。早稲田大学教授。日本古代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫草
9
古代史(文献史)、考古学、美術史、建築史、宗教学の専門の先生方がそれぞれ古代寺院について論じています。美術史とか建築史とかは私にはまったく馴染みのない分野なのですが、最初の「<古代寺院>への招待」に書いてあった通り巻末の座談会を先に読んだところ、この座談会がおもしろくて、馴染みのない分野にも興味を持って読めました。古代のもので今も残っているものと言うとお寺や仏像が多いのですが、それが遺跡ではなくて今も信仰の対象で、そこでお勤めをしている方々が変わらずずっといらっしゃるのがすごいことだなあと思います。2023/11/25
アメヲトコ
4
19年刊。日本の古代寺院を寺院社会史、考古学、美術史、建築史、宗教学などの各分野から論じたものです。史料が限られるなかでどのように古代寺院の実態を明らかにするのか、それぞれの分野の方法論の差異が興味深いです。2021/11/25
黒豆
2
興味深かった内容は、寺院建築における伽藍配置から技術者とメンテナンス、仏像から姿の意味や表情を読み解く、様式比較などなど2020/07/15