若者の気分
シャカイ系の想像力―若者の気分

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  • サイズ B6判/ページ数 162p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000284530
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0336

出版社内容情報

若者たちのリアルな気分、それが映す、日本の今とこれから

”死んだまま生きる””ヒューマノイド・インターフェイス(宇宙人)美少女”など、ライトノベル作品に氾濫する、奇妙で特徴的なイメージ群。それらを読み解き、セカイ系ならぬシャカイ系の可能性-困難な時代を生きる若者たちの不思議な抵抗の姿を探る。

内容説明

ライトノベル作品に氾濫する奇妙で特徴的なイメージ群。そこには、若者たちの意識、感覚、イマジネーションを探る重要な手がかりがある。日本社会の「いま」を窮状ととらえ、そこで生きるがゆえに、韜晦のスタイルをとらざるをえない若者たちの、不思議な抵抗の姿を探る。

目次

1 若者文化の「いま」を知る(若者向けポピュラー・フィクションのつくり手と受け手;若者にとっての現代とは;分岐する「若者」)
2 自省と独断と―ライトノベルの世界(ライトノベルの系譜を探る;青春小説及び境界領域の作家たち;留保-韜晦の話法;「俺様主義」の魅力)
3 死と生をめぐるイミジェリ(共有される心象;孤立のかたち;透明な自己のアンビヴァレント;死んでいる私達には何よりも生きる目的が必要だ;他者という謎/空洞化する親密圏;親密圏を浸蝕する「社会」)
4 「平凡なうちら」が築く友愛(社会のよそよそしい威力;生きづらさからの脱出という主題;「でもね…」―無力を社会に投げ返す;醒めた絶望が育む同盟;普通の人生を選びとる意志)

著者等紹介

中西新太郎[ナカニシシンタロウ]
1948年生まれ。横浜市立大学教授。社会哲学、現代日本社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

阿呆った(旧・ことうら)

20
★タイトルに惹かれて手にとってみると、おお!中西先生!同じ部活の人に中西ゼミの人いたな。著者は社会哲学の教授。★ライトノベル、ケータイ小説、マンガを取り上げながら、構造改革時代の『若者の意識』を浮かび上がらせている。本当に脱帽するくらい文献のラノベ、漫画などを読み解いている。★『今の若者は…』という安易な見下しよりは、若者がどういう状況でどんな心境なのかを謙虚に知る方がいいなと思いました。2015/11/01

MasakiZACKY

4
ライトノベルにおけるイミジェリを通して、現代の若者について考察する一冊。イミジェリとは心象をともなう描写だそうな。他にも独特の言葉や表現が散在しており、全体的に文章が無駄に難しい。読者に伝える気を感じないレベル。しかしアプローチや分析内容はなかなか面白く、サブカルチャー論として一読の価値あり。特に死生観については興味深かった。ただタイトルにもあって大事なキーワードのはずの「シャカイ系」に関して、説明がもっとほしかった。終盤に唐突に出てきてちょっと理解が追い付かず。とりあえず言えるのは、流行りそうにはない。2012/06/30

Meroe

3
閉じこもった関係を描いていると思われがちなライトノベルを、社会と若者の関係としてポジティブに?読んでいく。ラノベを語ること、若者を語ることの難しさが重ね重ね述べられている。「イミジェリ」=作品中の会話を(前置きはあるが)若者の考えていることと重ねているが、ラノベ読者は登場人物たちより年上で、むしろ上から目線でそれらの会話を見ているんじゃないか?と思った。たくさんの引用でラノベの文に触れられる(でも読んでみないとわからないのかも)。リストカットのことがそんなによく出てくるとは意外。2012/02/18

真塚なつき(マンガ以外)

2
これでシリーズ名の「若者の気分」がわかるかはさておき、ラノベのイメジャリー分析サンプル集としてはなかなか面白い。創作サプリメントとしては使えるかもしれない。抽出したイメジャリは孤立、死者としての生、学校、家族、正義、秩序、等々。メジャーからマイナーまでゼロ年代以降を中心に1200点を対象としたそうだが、とにかく著者は葵せきな・日日日・十文字青が好きね。いささ校正校閲足らない気もしたが、何にしても『永遠のフローズンチョコレート』と『ブール・ノワゼット』が引用されてるので全て許した。2013/08/22

2kz1

2
問題はその先、いわば「平凡な日常」は実現/維持できるのか、でしょう… / 「シャカイ系」ってダサいし特に思考を駆動してくれることもないのでやめて欲しい。2011/11/02

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