内容説明
王者の恍惚、挑戦者の孤独、再起する者たちの激情、天折者の曳く長い影―。1980年4月の創刊以来、あまたの傑作ノンフィクションを生み出した「ナンバー」の歴史を凝縮。佐瀬稔「沈む少年」、高山文彦「汝自身の神」、渡瀬夏彦「蛹」、中田潤「ラストラウンド」など、珠玉の10篇と、特別対談・後藤正治×沢木耕太郎「スポーツを書くということ」を収録する。
目次
1 不屈の肖像(沈む少年―高橋繁浩「水の青春」(佐瀬稔)
伝説への旅―天才・福永洋一のそれから(後藤正治)
11年目のシャドウ・ピッチング―桑田真澄が再起するまで(石田雄太)
汝自身の神―半身不随事故後のウェイン・レイニー(高山文彦))
2 拳闘家たちの見る夢(蛹―辰吉丈一郎、春を待つ(渡瀬夏彦)
兄弟ボクサー―平仲明信・信敏の挑戦(山岡淳一郎)
リングに帰ってきた王者たち―かつての夢路を追う5人の男(織田淳太郎)
ラストラウンド―悲運の韓国人ボクサー、グレート金山(中田潤))
3 ナンバー・スポーツノンフィクション新人賞(マイ・ライト・フット(第5回受賞作)(リー・小林・モボ)
果てなき渇望(第6回受賞作)(増田晶文))
4 特別対談「スポーツを書くということ」(後藤正治×沢木耕太郎)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
138
スポーツノンフィクション第三集である。 平泳ぎの高橋繁浩、天才騎手 福永洋一、 そして再起を図る桑田真澄 …90年代までの 一流スポーツ選手たちの苦闘は 息苦しいほど、凄まじい。 今回は 辰吉丈一郎など ボクシング選手も多く取り上げられ、懐かしく 心に染みる作品集になっている。2020/06/13
yuji
1
桑田もレイニーも真のプロにゴールはないことが分かる。これを完璧主義者とくくってしまうのはステレオタイプなので好ましくない。はてなき渇望の肉体を追及するのも同様だ。行きつくところまで行くと報酬ではない何かを追い求めるのだろうか?ライバルに対してなのか、自分に対してなのか。辰吉は網膜剥離の後もボクシング以外の人生は考えられなかったのだろう。人はいろんな可能性があるといわれるが、その人がやるべきこと、その人しかできないことがあると思う。限界と言われた到達点に達すると限界は蜃気楼のように遠のいていく。2018/05/04
クジラ
1
天才騎手・福永洋一について書かれた短編がよかった。息子の福永祐一を応援したくなった。2010/04/05
check2012
0
しぶいよ〜 2012/10/17