出版社内容情報
全世界から注目を浴び、最先端の文化現象と化した日本アニメ。なぜ、これほどの普及力をもったのか? その起源はどこにあるのか? さらに進化する日本アニメの特質と普遍性について、国内外の視点から、また、歴史的、理論的アプローチから多層的に分析を試みる。
内容説明
全世界の注目を浴び、最先端の文化現象と化した「日本アニメ」。その特質と普遍性について、国内外の視点から、歴史的、理論的に分析する。
目次
総論 アニメは見て書け
日本の初期アニメーションの諸相と発達
アニメーション、アニメ、ジャパニメーション―近代化とファンタジーの“宝庫”
デジタル・イメージの諸次元―『メトロポリス』と『巌窟王』におけるアニメ化された空間とイメージ
細田守、絵コンテ、アニメの魂
「世界」と「恋愛」―新海誠の作品をめぐって
宮崎駿アニメーションのストーリーテリング戦略
フル・リミテッドアニメーション
アニメ的オートマトン―息を吹き込まれた自動機械/人形としてのアニメ
対談 この世界を終わらせないために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
3247
2
日本では初期において娯楽以外に教育や宣伝など様々にアニメーションが用いられたという史的研究や、2Dと3Dデジタル表現の違いを物語の構造上の対立として、あるいは違和そのものを演出に転換した考察や、絵コンテにおける協働、宮﨑アニメにおけるテーマやキャラクターやストーリーの変奏と差異、プロモーションから複数のネタ元の本歌取りといった様々なインターテクスト性こそが独自で優れた戦略だと指摘する論考、リミテッドアニメの再検討と、なかなか刺激的な論考集だった。読んでいて何度か強く思ったのは、アニメーションというのは2016/02/08
Was
1
論文やらレポートやら対談やら色々収録。「時かけ」のキャラ造形の話は面白い。新海誠論は現象学的アプローチのものが構造分析よりも腑に落ちるのはなんでだろう。ドゥルーズをアニメに援用してるのはビミョー。2012/01/26
かんちゃん
1
取り上げられている作品が、「巌窟王」や「サマーウォーズ」など、個人的にピンポイントなところだったので、アニメを思い出しながら楽しんで読めた。寄稿者が国際色豊かで、今までのアニメ論とは少し違った角度からも楽しめると思う。「東のエデン」の裏側が垣間見える座談会も面白い。個人的に、今後は、残るものというよりは消費されているリミテッド・アニメや、セカイ系の変奏とも言えるアニメ群に目を向けた論考も読んでみたい。本著はあくまで映画を語るシリーズの一環なので、十分すぎる内容だと思われた。2011/07/06
tegi
1
上野俊哉と神山健治の座談のみ読了。2011/05/04
ubon-ratchat
1
『アニメーションの映画学』とは違う文脈だけど、刺激的で示唆に富む論文集。海外勢の本気もちらほら。ただし、エッセイは蛇足。2010/10/09