出版社内容情報
1925年に師団が廃止され、連隊区司令部のみが残った新潟県高田市。社会における軍事の比重が増してゆく中。軍からの自立と、軍による振興との間で揺れ動き続けた高田の模索を通じて、日本の軍部の特質を描き出す。
内容説明
一九二五年の第一三師団廃止の後、連隊区司令部以下が所在する「末端」「周縁」軍都となった新潟県高田市(現上越市)。満洲事変、盧溝橋事件を経て、一九四一年の対米英開戦に向けて社会における軍事の比重が次第に増してゆく中、軍からの自立と、軍による振興との間で揺れ動き続けた高田の模索を通じて、日本の軍都の特質を描き出す。
目次
序章 兵士のいる風景(軍事史と地域史―一九九〇年代以降の研究動向;「軍都」論 ほか)
第1章 「軍都」の意識論(都市建設への模索―師団廃止から満洲事変へ;大都市建設の夢―満洲事変から日中戦争へ ほか)
第2章 子どもたちと軍隊(高田中学校『第一義』を読む;直江津農商学校『校友会報』を読む ほか)
第3章 地域と軍隊をむすぶ人々(帝国在郷軍人会と陸軍将校団;在郷軍人会と地元部隊 ほか)
第4章 戦時のアトモスフィア(神社境内の変容;軍事と日常 ほか)
終章 市民のいる風景
著者等紹介
河西英通[カワニシヒデミチ]
1953年北海道生まれ。弘前大学卒業、立命館大学大学院文学研究科修士課程日本史専攻修了、北海道大学大学院文学研究科日本史専攻後期単位取得満期退学。広島大学大学院文学研究科教授。近代日本地域史。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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