出版社内容情報
二〇〇〇年以上前に誕生しながら、近代科学を先取りするような内容を持つラテン語の壮麗な長篇詩。宇宙の成り立ちから恋愛、技術の進歩まで、森羅万象を原子と空虚から合理的に説明し、不毛な宗教的呪縛から人々を解放した。時代を超えて、未知の事柄を探求する人々にインスピレーションを与えてきた書を読み解く。
内容説明
無からは何も生まれず、何ものも無にはかえらない―全てのものは原子と空虚とから出来ている。ウェルギリウスやオウィディウスらローマ詩人への影響。理性による原因の解明によって驚異を解消する。ブラウン運動を「予知」?「遺伝子」の概念や進化論との類似。家族の形成が文明の起源。欲望に駆られた技術の追求は、無知、そして戦争につながる。ボイルやニュートン、そしてドルトンへ―近代原子論へのつながり…二〇〇〇年以上前に誕生しながら、近代科学を先取りするような内容を持つ長篇詩は、いかなる論理でこの世界を説明し尽くしたか。
目次
第1部 書物の旅路―キリスト教世界を生き延びた原子論(修辞的カノン;ヴィクトリア朝の桂冠詩人;写本の発見と復活劇)
第2部 作品世界を読む―原子と空虚が生み出す世界(物質と空間;原子の運動と形;生命と精神;感覚と恋愛;世界と社会;気象と地質)
著者等紹介
小池澄夫[コイケスミオ]
1949‐2011年、長野県生まれ。1979年、京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。元滋賀大学教授。西洋古代哲学史専攻
瀬口昌久[セグチマサヒサ]
1959年、兵庫県生まれ。1991年、京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。2000年、京都大学博士(文学)。現在、名古屋工業大学大学院教授。西洋古代哲学史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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