内容説明
理想の国家とはいかなるものか―アイロニーとパラドックスをたっぷり含ませながら、友人との対話を進めるソクラテス。当時のアテナイ社会の現実からすれば「荒唐無稽」とも、また現代の眼からすれば「独裁」の極みとも見られかねないきわどい議論を通じて、著者プラトンが目指したのは、“正義”と“幸福”そのものを問い直し、その実現に“哲学”がいかに関わるかを示すことであった。国家論、教育論、イデア論、男女論、魂の不死など、ありとあらゆる議論で思想史を切り拓いてきたこの“挑発の書”を、俯瞰する。
目次
第1部 書物の旅路―政治と哲学、著述と対話(「哲学者」の誕生;著述と対話―「対話篇」ということ;プラトン著作の伝承;『国家』の読まれ方)
第2部 作品世界を読む―「一つの国家」を目指す対話(ベンディス祭の夜(第一巻327A‐331D)
挑発するソクラテス(第一巻331D‐第二巻367E)
モデルとしての国家建設
「一つの国家」という困難へ(第三巻412B‐第四巻427C)
逆説の大浪(第五巻449A‐471C)
第三の大浪―哲人統治者、そして哲学者とは(第五巻471C‐第七巻541B))
著者等紹介
内山勝利[ウチヤマカツトシ]
1942年、兵庫県生まれ。1975年、京都大学大学院文学研究科博士課程単位満了後退学。現在、京都大学名誉教授。古代ギリシア哲学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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棕櫚木庵
18
1/3) 全体の約1/3を占める第一部で『国家』成立の背景や伝承過程・受容を簡単に辿り,第2部で『国家』の構成・内容を,おおよそ叙述の順に従って紹介・検討していく.▼第1部では,書誌学的伝承過程を特に興味深く読んだ.「ステファヌス版」というのはプラトンを読んでいるとよく聞くけど,このフテファヌスってアンリ・エチエンヌのことだったんだ!.知らなかった(その1頁の写真がp.49にあります.綺麗な本.「A,B,C」ってこんなふうに注記されいてたんだ).他にも,小さな,でも興味深い話がたくさんあって,楽しい.2020/07/09
しゅー
3
★★2023/05/13
たしかにわたしがうえのです。
0
p.71, p.79, p.95, p.107,pp.108-1092013/10/13
xivia | ゼビア
0
参考文献として読了.2021/02/14