感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
garyou
1
中国語の部屋を読みたくて読んだ。三十年前の話なので、今はまたいろいろ変はつてきてゐるのかもしれない。たとへば、コンピュータは小説を読んで、登場人物の出で立ちを思ひ描いたりするのだらうか。思ひ描くとして、「それはこのあひだ会つた誰某に似てゐる」と思つたりするのだらうか。将棋アプリケーションは、この手順は何年前の何月何日に誰某と対局した時とおなじもので、あの日は寒かつたなあ、などと思つたりするのだらうか。読みながら、そんなことを考へた。2013/10/04
☆☆☆☆☆☆☆
0
有名な「中国語の部屋」の話を含む一般向け講演録。素人考えだけど、ANT寄りで最近デネットやらにも影響されつつある自分としては、統語論と意味論のあいだに絶対的な断絶を認めるところにサールの誤りがあるんじゃないかなぁ、と思った。2015/01/13
ヘンリー八世が馬上試合で死んだことは内緒
0
1人称的意識は計算ではなく生物学的につくられるとしている。しかしながらなぜ生物学が意識を説明できるかという点については書かれておらず。その点については意識を別法則で扱うチャルマーズの方が思いきりは良いか。2014/12/07
holybackeye
0
一般聴衆向けの講義を下敷きにしているから分かりやすいという触れ込みだったが・・・ある程度の前提知識は当然必要でしょう。議論は整理されてるし言い回しが冗長というわけでもないんだけど一文一文が濃密でなかなか論理を追っかけるのに苦労した。まさか社会科学の話をしだすと思ってなかったのでそこは意外で興味深かった。2014/04/15
222242@es
0
この本は何かしらの新しい知恵を私たちに与えてくれるわけではないが、しかし、優れた教師というのは、当たり前のことをやさしく語り、私たちにその問題の問題たる理由を築かせてくれるものである。そういう意味では、この本は優れた教師である。心や脳、そして科学を信奉するでもなく、否定するでもなく、ほどほどの態度で語る筆者はまさしく生徒を思いやる教師である。だが、世の教師と同様にいくつか疑問や反論が残る。そこからまた新たな考えや答えが出てくると私は信じてやまない。2011/05/06