内容説明
和歌にとって西洋近代との全面的な接触はどのような体験であったのか。幕末期における西洋列強の出現は、和歌の世界に強烈なナショナリズムを呼び起こし、文明開化による新たな事物の導入は、歌ことばの美意識に激震を与えた。和歌改良論議から近代短歌の生成に至る道筋を検証することで、その変容と再生の諸相を考究する。
目次
序論 和歌とは何か、短歌とは何か
1 西洋近代との遭遇(勤皇志士和歌の史的位相;新題歌のイデオロギー;和歌改良論―新体詩と長歌改良、そして短歌革新への道)
2 和歌の国民化(帝王の歌・臣民の歌―御歌所と歌会始;樋口一葉と“和歌”;森鴎外を通して見る明治歌壇とその力学)
3 和歌の変容と再生(和歌と「新体」詩―唱歌・軍歌との関連を中心に;思想の時代―西洋の文学概念による短歌評価の問題;万葉集に託されたもの―国民歌集の戦中と戦後)
著者等紹介
勝原晴希[カツハラハルキ]
1952年生まれ。専攻、日本近現代文学。駒澤大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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