出版社内容情報
20世紀の文学は批評と創造の現場が多元的に交錯し,表現の新たな多様性を生んだ.20世紀文学を総括し,文学作品の批評性を根源的に問い,批評理論の展開をふまえた作品の創造的読みの可能性を追求する.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
75
このアンソロジーから、若島正『電子テキストと『ロリータ』』のみを読む。ナボコフが「ロリータ」に仕掛けたある遊戯の一つを紹介。電子化されたテキストからわかる、普通に読んでいると読み過ごす部分を解説していく。ごく少数の分かっている読者に向けてのみへの挑戦するナボコフの遊びに舌を巻く。若島は新潮文庫版「ロリータ」の翻訳者であり、彼のナボコフ解説を知っている人にはお馴染みのもの。この解説はごく少ない分量で、若島の研究書「ロリータ・ロリータ・ロリータ」の内容とはダブっていない。興味のある人にはぜひおすすめ。2018/01/18