出版社内容情報
著者の現代産業文明への挑戦と警告は,日本でも大きな反響を呼んでいる.家事などの人間の本来的で楽しかるべき諸活動は,市場経済に埋め込まれ,単なる無払い労働としての〈シャドウ・ワーク〉に変質している.著者は,現在の生活からの脱却を企て,言語,知的活動より,人間の生き方としての平和の問題までを縦横に論じる.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エジー@中小企業診断士
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現代社会では市場に接近する機会の最も少ない者ほどコモンズの利用上の価値に最も近づけない仕組みになっている。ニーズの充足に対する商品による徹底した独占により「貧困の現代化」が起きている。「開発」は人間生活の自立・自存志向を犠牲にして形式的画一的な経済領域を拡大する。「ホモ・エコノミクス」は民衆の平和、ヴァナキュラーな自治から平和の意味を「パックス・エコノミカ」に変えてきた。産業化の進展とともに、生活を享受すべき諸活動は市場経済に埋め込まれた結果、単なる無払い労働としての「シャドウ・ワーク」に変質したのだ。2023/04/05
読書箱
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肝心のシャドウワークの章が特に理解できなかった。ただし、シャドウワークの概要は理解できた。2016/11/12