出版社内容情報
古代オリエントに誕生し,人間の歴史にはかり知れない影響をおよぼした壮大な物語の殿堂が,現代の日本語によみがえる.宇宙の創成,民族千年の興亡,終末観に閉ざされた社会と文化,愛のよろこびに震える魂の歌-ここにはすべてがある.旧約聖書学の進展を踏まえ,最前線に立つ気鋭の訳者陣が渾身の力で取り組む,画期的な新訳.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
67
ユダヤ人が祭日に唄っていた5編の書から成り立っています。神という言葉が殆ど見られないことから、聖書としての大枠を外して読むこともできそうな文書であるというのが興味深いところでした。文学と詩の色合いが強いと言えるでしょう。2017/12/11
きゃんたか
17
所収された五書は、ユダヤ民衆の間でも昔から愛唱されてきたものらしい。雅歌とエステル記には神の名さえも出てこない。聖書という大枠を忘れてしまえば、我々は官能と復讐の陶酔にすぐさま彷徨ってしまうことだろう。コヘレト書と言えばヘミングウェイの「日はまた昇る」だが、コヘレトは虚無の果てに信仰を見出だした。異邦人ルツが慕い従う姑の良心の彼方には、以後ダビデからイエスに連なる系譜をもたらした神のドラマツルギーがあった。カニバリズムさえも許してしまった捕囚以後のエルサレム風景に、哀歌に描かれた偽りなき歴史の真実を見た。2017/10/21
讃壽鐵朗
5
特に、哀歌が印象的だった2015/11/10
しゅん
3
ルツ記とコーヒレト書(伝道の書)を書いた人、天才だと思う。抽象と具体の二元論が見落とすなにかがあると感じた。感じただけだが。2020/07/28
しいかあ
3
ごった煮感あふれる巻。この聖書シリーズ全15巻の内でどれか一冊選べと言われたら、雅歌とコーヘレト書を収めるこの一冊を迷わずに選ぶ。雅歌はかなりエロチックな恋愛詩集。なんでこいつが聖書に入っているのか首をひねらざるをえないのだが、内容的には素晴らしいの一言に尽きる。コーヘレト書は笑っちゃうくらい投げやりで殺伐とした知恵文学の書。これもこんな虚無的で信仰否定的な文書が聖書に入ってていいのかと突っ込まざるをえないのだけれど、あらゆる意味で名言まみれでこれもまた素晴らしいとしか形容しようがない内容。2015/04/17
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