出版社内容情報
死海文書とならんで、キリスト教の成立史を解く最も重要なカギとされる不思議な文書が、ようやく日本語で全文読めるようになった。ナグ・ハマディ文書は、一九四五年にエジプト南部のナグ・ハマディで農夫によって発見された、コプト語で書かれた五十二のパピルス文書である.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』 275頁、より)
目次
トマスによる福音書
フィリポによる福音書
マリヤによる福音書
エジプト人の福音書
真理の福音
三部の教え
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いとう・しんご singoito2
10
「マリヤによる福音書」を詠みたくて借りてきました。ただし、同文書はナグ・ハマディ文書では無いけれど関連の深さで収録してくれたみたいです。全体に正典福音書以降の成立と思われる内容、かつ、グノーシスそのものの文書で、かなり神話的な文書もあって、正直、そのような文書は理解困難です。正統教会が頑固に正典を守り通そうとしたことが分る、という意味では面白いですが、真面目なキリスト者には退屈だろうと思います。2022/10/17
depthofthesky
0
#dokusyo メイド喫茶に行った夜に読了。難解なうえにショッキング。原文の欠損、見知らぬ固有名詞などが頻出するため、筋を読み取るだけで精一杯という有様だが、たとえば「マリヤによる福音書」の示す「マグダラのマリアはイエスの妻であった」という記述の衝撃はどうしたものか。人間の魂が、無明、欲望、無知、妬み、肉欲などの敵を打ち破りつつ至高界に上っていくさまは、まさに東方的。単にイエスの伝記の書き換えにとどまらない内容だろう。2010/04/12