出版社内容情報
「大発見」に端を発するヨーロッパの拡大運動は,現実を批判し理想社会の夢を語る新しい作品ジャンルの誕生を促した.巧みな着想と仕掛けを凝らした想像力あふれる物語群の下から,矛盾をはらみつつ近代を創出してゆくこの時代の暗部が,それを見据えようとする作家の営みが立ち現れる.私たちに応答を求める彼らの問いは鋭く,深い.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maqiso
2
『月の男』は色々な世界に冒険しているが、全体的に短くて中途半端な感じがする。『新世界誌』はオカルトちっくなのが良い。平穏な光り輝く世界を想像したと言いつつ、公爵夫人の世界を見て回ったり女帝の生まれた世界で戦争したりしてるの面白い。2018/12/05
シャル
0
主に月の男の方を目的に読書。ユートピア旅行記叢書に収録されているだけあって、両作品とも、未知の世界への旅行と、その世界の社会の情景が描かれている。それは、当時の発達しつつあった科学の鏡でもあり、そこから時代背景や作者の思想も映し出されていく。特に、当時の最新鋭の科学によってなにが変わるのかを想像し、語るということは、実在しないユートピアだからこそより鮮明に作者の心の形となるのだろう。2012/02/10
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