出版社内容情報
北野天満宮を北に抱える京都・西之京で、毎年秋にずいき祭が行われる。主役は、住民が地元の野菜や乾物でつくる華やかな「ずいきみこし」だ。祭の準備やみこしの巡行の生き生きとした様子を捉えた写真集。天神信仰が息づく地域の過去と現在を考察した解説を付す。五穀豊穣への祈願を続けてきた祭の世界に読者を誘う。(カラー64頁)
内容説明
北野天満宮を北に抱える京都・西之京で、毎年一〇月にずいき祭が行われる。主役は、住民が地元の野菜や乾物でつくる華やかな「ずいきみこし」だ。祭の準備やみこしの巡行の様子を生き生きととらえた写真のほか、神人が行う非公開の行事の貴重な写真も収載。天神信仰が息づく地域の過去と現在を考察した解説を付す。五穀豊穣への祈願を続けてきた祭の世界に私たちを誘う写真集。
目次
写真 京都 天神をまつる人びと(西村豊)(ずいき祭;文子祭;甲の御供;梅花の御供)
文 ずいきみこしと西之京(三枝暁子)
著者等紹介
西村豊[ニシムラユタカ]
1949年京都市生まれ。自然写真家。ネイチャーフォト・プロダクション代表。JPS・日本写真家協会会員。東京理科大学・諏訪東京理科大学非常勤講師
三枝暁子[ミエダアキコ]
1973年埼玉県生まれ。日本女子大学文学部卒業。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学、東京大学)。立命館大学文学部准教授。専門は日本中世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アメヲトコ
1
十月の北野天神の祭礼では、野菜を材料にした「ずいき(里芋の茎)御輿」が作られ、町を練り歩きます。そのずいき御輿の製作過程と祭礼を取材した写真と、北野地域の歴史を紹介した文章からなる一冊です。非公開の行事など貴重な取材も多く、「都市と農村のあわいにある」北野の姿を立体的に描いた労作です。2016/04/12
まりえ
0
再読。大学時代関わったずいき祭の写真集。 西之京地域の人に守られ信仰されている美しい野菜のお神輿の祭である。 本の後半はずいき祭に関わる人々や神輿、西之京と天神信仰、ずいき祭の歴史に関する文章という内容の濃い一冊。2016/07/31
湯豆腐
0
北野天満宮からほど近い西之京地域を毎年巡行する野菜や芋の茎で作られた「ずいき神輿」の製作過程から祭りの賑わい、西之京住人によって継承されてきた北野天満宮での祭祀の様子を記録した写真集。西之京地域と祭りの歴史を中世まで遡った解説付き。先日、共同体の中心であった七つの保の一つ、安楽寺天満宮を訪れたが、このねこの額ほどのわずかな敷地に建つ小さな社が、中世からずっとここに住む人々の生活と信仰を支えてきたのだと思うと、その背後に流れる巨大な歴史の重みを感じて感慨深かった。2023/03/28