出版社内容情報
銅像とは、屋外に建てられた金属製の肖像彫刻を指すが、彫刻家、鋳造家、台座設計者を必要とし、記念碑や記念塔に近い性格の建築物でもある。人物の功績を後世に伝えるはずの銅像が、時代によって評価を変えられ、ときには役割を終えていくさまを、美術との境界線にある「つくりもの」から説き起こし、スリリングにたどる。
内容説明
功なり名遂げた人物の姿を、いつまでもこの世にとどめたい。この気持ちから“銅像”は生まれた。明治の日本に最初の“銅像”が出現した時、それは記念碑の頂きに舞い降りたかのようだった。やがて都会は銅像だらけになるものの、戦争はそれらを潰して武器に変え、敗戦は軍人像を追放し、近年では“ゆるキャラ”が、黒くて堅くて動かない“銅像”を追い立てている。百年前に日本社会が迎え、いまは忘れ去りつつある“銅像時代”を、著者一流の語り口で、スリリングに描き出す!
目次
序章 銅像時代のはじまり 一九〇九
第1章 屋根の上のつくりもの
第2章 さすらう金鯱
第3章 殿様の銅像
第4章 横浜清正公ストリートにて
第5章 台座考―建築家と記念碑
第6章 ある騎馬像の孤独―戦争が終わって転々とするもの
終章 銅像時代のたそがれ 二〇〇九
著者等紹介
木下直之[キノシタナオユキ]
1954年、浜松市に生まれる。東京芸術大学大学院中退。兵庫県立近代美術館学芸員、東京大学総合研究博物館助教授を経て、東京大学大学院教授(文化資源学)。ユニークな視点から、日本美術、写真、祭礼、見世物などの研究を続けている。著書に『美術という見世物』(サントリー学芸賞受賞)、『わたしの城下町』(芸術選奨文部科学大臣賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kaizen@名古屋de朝活読書会
ぴよぴよーーーーー
katashin86
茶田
onepei
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- 和書
- 「塩上手」は料理上手