山と溪谷社<br> ヤマケイ文庫 人を襲うクマ―遭遇事例とその生態

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山と溪谷社
ヤマケイ文庫 人を襲うクマ―遭遇事例とその生態

  • 著者名:羽根田治
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 山と溪谷社(2021/03発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635049115

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内容説明

福岡大学ワンダーフォーゲル部のヒグマ襲撃事件をはじめ、最近、急増しているクマによる事故の実態、原因を解明するノンフィクション。

1970年7月、日髙のカムイエクウチカウシ山に登りにきていた福岡大学ワンダーフォーゲル部5人は、九ノ沢カールで幕営中、突然、ヒグマに襲われた。
近くのにいた他大学の山岳部員に救助を求めるが、クマの執拗な攻撃に遭い、結局3名が亡くなってしまった。
ザックを取りにもどらない、背中を見せて逃げないなど、いくつかの教訓を残し、当時は大変な話題となった。
しかし、報告書は残っているものの、悲惨な事故だけに書籍にもならず、50年近く経過したために事件は風化してしまった。

ところが、最近はクマの出没が多く、各地でクマの襲撃による被害が頻発している。
福岡大学ワンダーフォーゲル部のヒグマ襲撃事故をしっかり検証するとともに、最近のクマとの遭遇被害の事例を追い、生態の解説をする。

文庫化にあたり追記として、著者による最近のクマ遭遇事故の特徴などが追加された。
本文の写真は、ツキノワグマの写真家澤井俊彦氏が野生のクマを活写している。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

128
最近、全国で人がクマに襲われる事例が多発している。死者まで出たと聞くと早く駆除しろと思うが、両者とも相手のテリトリーへ侵入しなければ何も起こらない。しかし過疎化で里山が荒れ、エサとなる木の実が減っている現実は、否応なく人獣の境界線を接近させる。クマは山で食べ物がなければ遠慮なく人里に下りるので、結局は人が警戒するしかない。またクマに襲われた人がいかに無力であり、生きのびた人も深刻な傷害を受けた実態は恐ろしいほどだ。人の営為が原因ならば一方的に駆除するだけでなく、人の側から共存の道を探れないか考えてしまう。2023/12/23

Shoji

44
私はトレッキングを趣味にする者です。紀伊半島の山間部に入ります。ツキノワグマの生息域です。登山口には、「熊注意」、「熊生息域です」などの注意喚起の看板が普通に設置されています。時に、非常に獣臭い日もあります。実際に、熊のフィールドサインも見かけることがあります。幸いなことに、熊に遭遇したことはありません。この本は、熊による人的被害の実例集です。しかも身近な所に熊が出没しているようです。実際にニュースで見聞した事例もあり非常に怖いです。しかも、熊の被害は天災ではなく、自然を蔑ろにした人災のようです。怖い、、2021/05/11

p.ntsk

33
福岡大ワンダーフォーゲル同好会の事故をはじめ近年起こったクマの襲撃事例や生態について解説されている。クマとの遭遇事故は餌の減少、人とクマとの緩衝地帯になっていた里山の荒廃などが要因のひとつとしてあげられている。事故の生々しい証言を読むと遭遇してしまった時の絶対的な対処法や正解はないと感じる。事故を防ぐにはクマの生態や取り巻く環境の変化を知り遭遇しないようにすることが肝要だと思った。 2023/06/17

まるぷー

29
七件のヒグマとツキノワグマによる人身事故とクマの生態や遭遇時の対処法が書かれている。1970年の日高山脈での福岡大学のワンゲル部の事件は他書でも読み有名な話だが、ヒグマに付きまとわれその執念深さの恐怖が伝わる。十和田湖付近でのツキノワグマによる連続襲撃事件は記憶にある。クマの生息数は4万頭と推定され、近年増えているという説と山が人工林になり人里に下りてくる数が増えているだけという説。クマの生息域に入り襲撃されたから駆除するのは人間のエゴであると書かれ、共感するところもある。野生動物との共存が望まれる。2023/05/26

しっぽちゃん

7
★★★☆☆2023/02/19

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