身体を躾ける政治―中国国民党の新生活運動

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  • サイズ B6判/ページ数 368,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000259026
  • NDC分類 222.07
  • Cコード C0022

内容説明

日本の帝国主義的拡張が進む一九三四年、蒋介石は中国全土に向けて「新生活運動」の号令を発した。その目的は、「礼義廉恥」の伝統徳目を掲げつつ、近代的生活習慣を国民に強いることによって社会全体を軍事化させ、民族振興と富強中国を実現することにあった。人民の「衣食住行」への国家権力の介入は、国民一丸となって闘える強靱な身体を創出したのだろうか。また、近代国民国家への馴致をもたらしたのだろうか。同時代資料を博捜した着実な実証研究によって、「新生活運動」を発動した者、実践した者、実践させられた者、それぞれからみた全体像を明らかにする。

目次

序章 ボタンを留めろ、痰を吐くな!
第1章 林檎の後味―思想
第2章 星火燎原/楽隊馬車―政治
第3章 裸の蒋介石―社会
第4章 敵か?友か?―日本人
第5章 誰が子供を躾けるか―家族
第6章 誰が国に体を捧げるか―軍事
第7章 贅沢な用心棒?―米国人
終章 中国人はエジソンか

著者等紹介

深町英夫[フカマチヒデオ]
1966年東京都調布市生まれ。1988年京都大学文学部哲学科美学専攻卒業。1994‐95年ハーバード大学文理大学院歴史・東アジア言語課程留学。1996年東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了(学術博士)。中央大学経済学部専任講師・助教授を経て、2004年より同教授。2004‐06年スタンフォード大学フーバー研究所客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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geoff

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「新生活運動」の諸相を明らかにすることで、近代化とは何か、それは中国にとってどのような意味を持ったのかという広い問題を考えられる良書。個人的には、日本の近代化と比較しながら読んだ。そこからは、中国という国の統治の難しさや、「中華」を名乗る国が自己を否定する際の葛藤の大きさが見えてくる。近代化を志しつつも、形の上では伝統に固執する姿は、今日の中国にも通ずるところがある。また、当局が市民の振る舞いをマイクロマネージしようと腐心する様子は、コロナ禍の今、世界各国の当局がやっていることと同じだなぁと考えたりも。2021/06/02

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