随筆 上方落語四天王の継承者たち

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  • サイズ B6判/ページ数 229p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000259019
  • NDC分類 779.13
  • Cコード C0076

内容説明

戦後上方落語界を拓いた四天王(笑福亭松鶴・桂米朝・桂文枝・桂春団治)の継承者、枝雀・仁鶴・春蝶・ざこば・小米・南光・松葉・千朝・吉朝・喜丸。彼らは、師の芸を受け継ぎながら、独自の芸風をいかに創り上げていったのか―著者は鋭い批評眼によって、その謎を読み解いていく。枝雀と仁鶴の意外な共通点、ざこば・南光の芸に息づく米朝・松鶴の芸脈、早世した春蝶・松葉・吉朝・喜丸の人と芸、さらに大阪での立川談志の素顔など、興味深い事実も初めて明らかにされる。「優れた芸を記録し、広く世に知らしめたい」という想いで綴られた、珠玉の随筆集。

目次

第1章 桂米朝(文化そのものである桂米朝さん―文化勲章受章に寄せて;「桂米朝独演会」と新年;桂米朝喜寿祝い 米朝さんの大いなる世界)
第2章 爆笑王 枝雀と仁鶴(上方爆笑王の系譜―初代桂春団治、笑福亭仁鶴、桂枝雀;幻となった「枝雀六十番」と『枝雀落語全集』)
第3章 四天王以後の俊英たち(桂春蝶;桂ざこば;桂小米;桂南光;笑福亭松葉―七代目松鶴;桂千朝;桂吉朝;桂喜丸)
第4章 立川談志(立川談志―大阪における点景)

著者等紹介

戸田学[トダマナブ]
1963年大阪・堺市生まれ。作家。2004年上方お笑い大賞秋田實賞受賞。大阪藝能懇話会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ぐうぐう

32
『随筆 上方落語の四天王 松鶴・米朝・文枝・春団治』を書いた戸田学が、四天王以降の世代について記した2013年刊行の本書。四天王以降と言いながら、まずは桂米朝からしっかり論じているあたり、継承者に与えた米朝の影響力の大きさを物語っている。第二章で仁鶴と枝雀を対比させながら、芸の継承・発展という観点から、二人を初代春団治の弟子と定義しているのがユニークだ。収穫だったのは、戸田の桂ざこば論。米朝一門は、枝雀と吉朝は師匠譲りの繊細な落語をするものの、他の弟子達はどうも雑な印象が個人的にはあったのだが、(つづく)2021/10/14

浅香山三郎

14
上方落語を中心に藝能史の著作が多い戸田学氏が、四天王の弟子世代の事績を丹念に論ずる。どの章も面白いが、間近でその人柄に接していた桂枝雀と、そのライバルとでもいふべき笑福亭仁鶴を論じた第二章「爆笑王 枝雀と仁鶴」がよい。2021年に、仁鶴師が亡くなつたので、尚更その藝に触れたものをうれしく感じたのだと思ふ。どちらも、初代春団治の強い影響下にあつたといふ指摘も大事である。 記録的な重要さは言ふまでもないが、それ以上に、噺家の間近でその悩みや咄の工夫を見聞きしてきた人ならではの温かみのある論考である。2021/09/07

ワンモアニードユー

4
四天王以降の実力派たちを描写した文章集。しかし今では仁鶴、文枝、ざこば、南光などいずれも結構な年齢。ここを厚くするはずだった吉朝、松葉、喜丸は鬼籍に。中堅や若手に目立った存在のない上方落語。立川流だとか瀧川鯉昇の弟子などに目玉がいる東京と異なり、結構四天王登場までの壊滅期に近づいている?2019/11/09

6だ

2
例えば仁鶴について「芸の肥やしとしての影響はあったかもしれないが、彼の落語そのものに漫才のソフト自体を活かすことはなかった」と書いた数頁後に「スピーディにしゃべる言葉のテンポを上下の人物ごとに、変幻自在に変更することによって描き分ける話術は、つっ込みのときにも用いられ、より春団治で、さらには漫才的でもあった」などと書かれている。ちょっと著者自身が自分の中で整理できてない場当たり的な感想が多い気がする。「継承者」などと題についてるが系統を語るとかの体系だった芸談ではないと思って読んだ方が良いかも。2013/12/31

鷹ぼん

1
上方落語四天王の継承者としての、仁鶴、枝雀、春鶴、ざこば、小米、南光、松葉、千朝、吉朝、喜丸に関する著者がこれまでに書いた小文、エッセーと談志の随筆を収録した一冊で、著者のそれぞれの噺家への熱いまなざしを感じる。この錚々たるメンバーに喜丸が並んでいることを、とてもうれしく思った。そして仁鶴への正当な評価もまたうれしい。しかしまあ、戸田学も上方落語本で儲けるな(笑)。言いかえれば、上方の芸界でそれが書けるのは彼ぐらいしかいないということで、ここにも上方文化のお寒い現状がある…。2013/11/25

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