雅楽の“近代”と“現代”―継承・普及・創造の軌跡

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  • サイズ A5判/ページ数 297,/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000257886
  • NDC分類 768.2
  • Cコード C3073

内容説明

雅楽は、宮廷文化を彩る儀式音楽として伝承されながら、常に歴史の淘汰を受けて来た。近代以降は国民国家の儀礼において「伝統の創出」を担いつつ、新たに「芸術音楽」としての展開を迎える。雅楽人らは閉じた文脈を越え、聴衆へ雅楽を響かせるべく、いかに尽力したのか。洋楽との交流、五線譜化、楽器・楽曲の復元、創作等々さまざまな視点から言説・記録・作品分析を行い、承け継がれつつ新たに生成する芸術の“近代”と“現代”を検証する。

目次

近代以前の雅楽
第1部 明治時代から一九四五年まで―「雲居」の音楽としての雅楽(明治初期の雅楽界の変革;新しい「日本音楽」と雅楽―東儀鐵笛の思想;雅楽の西洋五線譜化―五線譜に込めた「理想」;雅楽「普及」の動き―「沈滞」と「普及」という言説;普及から新しい創造へ―近衛直麿の活動;紀元二千六百年と雅楽界の動き;毛一つの雅楽伝承―雅亮会と大阪近代;雅楽の録音―古音盤にたどる雅楽のスタイルの変遷)
第2部 一九四五年以降―メディアと劇場公演による雅楽の普及と変容(戦後の雅楽界と民間雅楽団体、および大学における雅楽カリキュラム導入;国立劇場の雅楽公演―「伝統」への挑戦;「復元」という「思想」―雅楽「復元」の社会史;「復元」の実際;雅楽の「大衆化」―ポピュラー音楽の潮流の中で)
雅楽リテラシーの構築

著者等紹介

寺内直子[テラウチナオコ]
1960年生まれ。東京藝術大学大学院後期博士課程単位取得。大阪大学より文学博士号。現在、神戸大学国際文化学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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秋色の服(旧カットマン)

2
いやはやこれは大作であり、雅楽を習った研究者の集大成であり、素晴らしい。明治の近代化を雅楽がどう受け止めて変わっていったのか。東儀鐵笛という人に興味を持った。楽家を出てオペラの作曲や評論活動、新劇俳優などをした人。天岩戸神話を題材にしたオペラ「常闇」における雅楽あるいは日本の俗楽と西洋音楽の折衷、これはぜひ聴いてみたい。近衛直麿以外にも邦楽の譜面化の事例や、その方法論における当事者間の論争など、日本の音楽とは何ぞやという問題に興味のある人は知るべきことが全て網羅されている。2018/08/02

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