出版社内容情報
リュミエール兄弟の『ラ・シオタ駅への列車の到着』以来,草創期から列車の表象とともに発展してきた映画.その視座から映画史を革新する魅惑の映画講座.傑作オムニバス『明日へのチケット』,ロブ=グリエ『ヨーロッパ横断特急』,ヴェンダース,ホークス,タル・ベーラまで.
内容説明
映画史創制(成)期(一九世紀末)から、映画は当時最大のモーション媒体たる列車の表象とともに発展してきた。本書では、二一世紀初頭の最高傑作オムニバス・トレイン・フィルム『明日へのチケット』と驚異の「非」列車映画『ヨーロッパ横断特急』の間をぬうように、蒸気機関車、馬車鉄道(路面電車の前身)、臨港列車、列車内殺人、列車内の読書などのモーションとエモーションとともに、幾多の芸術映画と娯楽映画の映画史的本質が解明される。驚きと喜びに満ちた一冊。
目次
『明日へのチケット』第一部のエルマン・オルミによる斬新性
フラッシュバックのバロック性
回想シーンと夢想シーンの循環的差異
反古典的ハリウッド映画編集
オムニバス・トレイン・フィルム
『明日へのチケット』第一部の冒頭ショットと最終ショットの照合
標準的オムニバス映画パターンからの逸脱
近代芸術とは何か
『明日へのチケット』第二部のアッバス・キアロスタミによる革新性はどこにあるのか
人工と自然のおどろくべきロング・テイク〔ほか〕
著者等紹介
加藤幹郎[カトウミキロウ]
1957年長崎市生まれ。映画批評家、映画学者。筑波大学比較文化学類卒業。同大学院博士課程文芸・言語研究科単位取得満期退学。1987年、京都大学教養部助教授に着任後、ミシガン大学客員教授、フルブライト客員研究員(カリフォルニア大学バークリー校、同ロサンジェルス校、ニューヨーク大学、ハワイ大学マノア校)などを経て、2006年より京都大学大学院人間・環境学研究科教授。博士(人間・環境学)。日本映画学会初代会長(2005~12年。現在は顧問)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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