列車映画史特別講義―芸術の条件

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  • サイズ B6判/ページ数 208p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000256612
  • NDC分類 778.2
  • Cコード C0074

出版社内容情報

リュミエール兄弟の『ラ・シオタ駅への列車の到着』以来,草創期から列車の表象とともに発展してきた映画.その視座から映画史を革新する魅惑の映画講座.傑作オムニバス『明日へのチケット』,ロブ=グリエ『ヨーロッパ横断特急』,ヴェンダース,ホークス,タル・ベーラまで.

内容説明

映画史創制(成)期(一九世紀末)から、映画は当時最大のモーション媒体たる列車の表象とともに発展してきた。本書では、二一世紀初頭の最高傑作オムニバス・トレイン・フィルム『明日へのチケット』と驚異の「非」列車映画『ヨーロッパ横断特急』の間をぬうように、蒸気機関車、馬車鉄道(路面電車の前身)、臨港列車、列車内殺人、列車内の読書などのモーションとエモーションとともに、幾多の芸術映画と娯楽映画の映画史的本質が解明される。驚きと喜びに満ちた一冊。

目次

『明日へのチケット』第一部のエルマン・オルミによる斬新性
フラッシュバックのバロック性
回想シーンと夢想シーンの循環的差異
反古典的ハリウッド映画編集
オムニバス・トレイン・フィルム
『明日へのチケット』第一部の冒頭ショットと最終ショットの照合
標準的オムニバス映画パターンからの逸脱
近代芸術とは何か
『明日へのチケット』第二部のアッバス・キアロスタミによる革新性はどこにあるのか
人工と自然のおどろくべきロング・テイク〔ほか〕

著者等紹介

加藤幹郎[カトウミキロウ]
1957年長崎市生まれ。映画批評家、映画学者。筑波大学比較文化学類卒業。同大学院博士課程文芸・言語研究科単位取得満期退学。1987年、京都大学教養部助教授に着任後、ミシガン大学客員教授、フルブライト客員研究員(カリフォルニア大学バークリー校、同ロサンジェルス校、ニューヨーク大学、ハワイ大学マノア校)などを経て、2006年より京都大学大学院人間・環境学研究科教授。博士(人間・環境学)。日本映画学会初代会長(2005~12年。現在は顧問)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

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2
列車映画を題材に、映画理論の枠組みを用いながら、試論していく。映画の体系から何か特定のジャンルを論じていく腕に関して、著者の右に出る者はいないと思わせる。この本に取り挙げてる映画を観るのも、一興だが、列車に乗りながら視線・音・動態を慮るのも一興。2014/06/24

fritzng4

1
「列車映画史」と言えども大半が『明日へのチケット』『ヨーロッパ横断特急』の二本の分析に割かれている。加藤氏の著書は『映画ジャンル論』を筆頭に面白いものばかりだが、ところどころに散りばめられるガキっぽい好き嫌い表明がなければいいんだけどなあ。。2015/05/12

c3po2014

0
★★★★★ 品川区立ゆたか図書館2014/12/25

quabex

0
読みづらい本だった。( )の中にさらに[ ]を含む長い補足が至る所にあって、文脈を見失うことしばしば。巻末の注も同様で、本文より文字サイズが小さい分、さらに読みづらい。しかしこれはあえてこのような文体にしているのだろう。講義が元になっているということなので、その息づかいを再現しようという意図なのか。しゃべりなら、この文体のように次々に補足を挿入していくことはよくあるから。列車映画についてのエッセイのつもりで読んではいけない。これは「列車映画と芸術映画を論ずる(68ページ)」講義なのだから。2013/05/15

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