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出版社内容情報
「子どものしつけに暴力は不要」――『長くつ下のピッピ』を生んだ作家リンドグレーンは,1978年にドイツ書店協会平和賞授賞式で力強く訴えた.その提言は世論を動かし,スウェーデンでは,世界ではじめて子どもへの体罰を禁止する法律を定めるきっかけにもなった.子どもとかかわる全てのひとを希望へと導く名演説.
「子どものしつけに暴力はいらない」――『長くつ下のピッピ』を生んだ児童文学作家リンドグレーンは、1978年にドイツ書店協会平和賞授賞式で力強く訴えました。その提言は世論を動かし、スウェーデンでは世界ではじめて子どもへの体罰を禁止する法律を定めるきっかけにもなりました。
このたび、その歴史的スピーチが小さな本になりました。40ページにも満たない短い本ですが、そのメッセージは子どもとかかわるの方々の胸にきっと響き、お父さん、お母さんにとっては子育てのヒントにもなるかもしれません。
カバーの装画は2005年にアストリッド・リンドグレーン文学賞を受賞された荒井良二さん。荒井さんが愛情をこめて、素敵なピッピを描いてくださいました! ピッピが生まれて70年でもあり、また戦後70年でもあるこの夏、子どもにとっての平和を考える手がかりになる一冊です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
48
1978年ドイツ書店協会平和賞の授賞式で、アストリッド・リンドグレーンが語ったスピーチ。子どもたちには、自ら考え、行動する力があり、それを支えるのは大人たちの愛情なのだと。だから、躾や教育と称してムチで打ったり罰を与えたりしてはダメ!平和な世界を目指して、リンドグレーンは訴えた。このようなスピーチをしていたとは知らなかった。この小さな本と出会うことができてよかった。2021/12/06
たまきら
37
長くつ下のピッピで有名な作家が1978年にこのようなスピーチをしていたとは知りませんでした。当時はヨーロッパでも体罰が当たり前だった時代。彼女のスピーチは最初主催者側に認められず、変更を求められたとか。この文章を読みながら、この言葉を彼女が壇上で話していた時自分はまだ一年生だったんだなあ…と深く感動しました。まったく無実の罪で教師から平手打ちされる6年前のこと。クラスには「根性棒」があり、竹刀をもって授業をする先生もいました。二度とあんな時代来てほしくない。リンドグレーンさん、ありがとう。2022/02/13
シュシュ
28
リンドグレーンの1978年のドイツ書店協会平和賞受賞時のスピーチ。その中で暴力と権威主義、家庭内暴力について強く訴えようとしたため、主催者側から内容を変更してほしいという要請があり、リンドグレーンは変更しなくてはいけないのなら、受賞式には出席しないと答えて、結局そのままスピーチできることになった。社会問題の論客でもあったリンドグレーン。暴力の連鎖を止めるには、暴力以外の方法でと言っている。そして、まずは自分の家庭で示さなければいけないと。全く古さを感じさせない、今の私たちに必要だと思える内容だった。2015/10/16
ちいさな図書館
22
身体的にも精神的にも、大きく小さく暴力の溢れるこの世界で一筋の光のようなスピーチ。相手が大人であれ子どもであれ、尊敬の気持ちを忘れずに接すれば、余計な暴力を生まずに済む。一人ひとりの心掛けの中でしか平和は生まれないのだ。今まさに考えたいことが書かれた本であった。2015/10/14
ケニオミ
15
「長くつ下のピッピ」の作者アストリッド・リンドグレーンが、1978年ドイツ書店協会平和賞を受賞したときの授賞式でのスピーチです。暴力は暴力の連鎖を生むだけで、しつけにはならない。2015/09/25