出版社内容情報
80年代,民主化と表現の自由を求めて立ち上り,世界各地に離散することを強いられた芸術家・知識人・学生たち.彼らはいま,亡命先で何を思い,どう生計を立て,どんな活動をしているのか.鄭義・高行健・方励之・胡平・王丹などを現地に尋ね,その後の足跡や祖国への思いの証言を綴った,亡命者列伝.
内容説明
海外で死去した作家の劉賓雁を除き、主要人物14名を亡命先に尋ね、彼らのその後の足跡についての証言を求め、祖国への思いを聞き出し、彼らの真実の思いと深い智慧に裏付けられた肉声を再現する。映画『亡命』の監督による亡命者の証言録。
目次
第1部 文化大革命から天安門事件へ(中国の病根を掘り起こす―作家・鄭義;声を封じられた野獣―詩人・黄翔 ほか)
第2部 天安門事件の証言(高まる学生運動―方励之;天安門事件前夜―黄翔・方励之・張伯笠・王丹 ほか)
第3部 天安門事件を背負って(中ソ国境を越えて逃避行―張伯笠;逃避行と投獄と―鄭義と北明 ほか)
第4部 天安門から遠く離れて(門が閉ざされた祖国―戈揚・王軍涛・胡平・劉賓雁・陳奎徳;中国にキリストの福音を届けたい―張伯笠 ほか)
著者等紹介
翰光[ハングァン]
1958年、中国・東北部生まれ。ドキュメンタリー映画監督。82年黒竜江大学を卒業し、87年に留学生として来日。91年上智大学大学院修士課程修了。『曽おばさんの海』で第7回ノンフィクション朝日ジャーナル大賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サナミミ
0
文革から六四天安門事件まで。未だ中共では、民主という事すら許されない一党独裁の一部だけが利権を得る生活を送っているのだろう。最近も反乱分子として民主化を口にするものを不当逮捕し発言の自由なんて何もない。隣国がどういう国であるかをまず知らなければ、我が国がどういった対策を取らなければならないのか知り得ないだろう。2015/07/17
うみ
0
映画を見たあとで借りた。 映画も熱意をこめて誠実に作ってあったが、代表的・模範的な改革派ばかりなので、それ以外の落ちこぼれた亡命者たちが気になった。 この本も、史良として役立つが、読むという性質のものではない。 2011/08/30