出版社内容情報
生活保護には援助を求める人びとを拒絶するしくみが内在し,老人・障害者介護にはつねに管理の側面が伴う.さらに,福祉サーヴィスを受けることがもたらす負の烙印…….多様な現場に飛び込み,福祉にまつわる光と影を見据えてきた著者が,新自由主義の嵐によって福祉国家の理念がゆらぐなかで,人間のための福祉をめざして送り出す渾身の書.
内容説明
生活保護には援助を求める人びとを拒絶するしくみが内在し、老人・障害者介護にはつねに管理の側面が伴う。そして、福祉サーヴィスを受けることがもたらす負の烙印…。多様な現場の実例から、福祉にまつわる光と影を見据え、人間のための福祉をめざす。日本の福祉の本質を照射し、福祉社会学の可能性をさぐる、知的冒険の書。
目次
1 貧困問題と福祉の機能(生活保護における逆福祉システムの形成;貧者の権利とスティグマ)
2 ケアすることとは(ケアすることとは―介護労働論の基本的枠組;青い芝のケア思想;老人ホーム像の多様性と統一性)
3 死別体験と癒しの過程(自死遺児について・再考;震災体験の癒しの過程における「重要な他者」と「一般的他者」)
4 二〇世紀からの展望(日本文化の可能性;社会主義の不在と社会福祉の行方;二〇世紀素描―一九九八年三月・筑波大学・最終講義)
著者等紹介
副田義也[ソエダヨシヤ]
1934年生まれ。社会学者。筑波大学名誉教授、あしなが育英会副会長。専攻は福祉社会学、歴史社会学、筑波大学定年退官後は、金城学院大学教授、福祉社会学会初代会長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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