出版社内容情報
グローバル化の進展とともに、世界には亀裂が広がっている。アジア世界においてもまた、緊張が高まり、地域の融和が求められている。多様で異質なアジア世界において相互理解をはかり、新しい時代を切り拓くために、今なにがいちばん求められているのか。本書は、40年以上のながきにわたって自らのフィールドとしてアジアに関わり続けてきた文化人類学者が、文化こそが危機的状況を乗り越えるための鍵を握るものであるとして、文化の役割を正面から論じた問題提起的評論集。文化人類学的観察眼で捉えた現代アジア理解のうえに、文化戦略的思考の重要性を説く政策論的視点が加わり、ユーラシア時代としての21世紀の行方を見据えた考察としてきわめて示唆的である。
内容説明
本書は、40年以上のながきにわたって自らのフィールドとしてアジアに関わり続けてきた文化人類学者が、文化こそが危機的状況を乗り越えるための鍵であるとして、文化の役割を正面から論じた問題提起的評論集。文化人類学的観察眼で捉えた現代アジア理解のうえに、文化戦略的思考の重要性を説く政策論的視点が加わり、ユーラシア時代としての21世紀の行方を見据えた考察としてきわめて示唆的である。
目次
第1部 東アジアと文化の問題(現代東アジア文化の性格とその担い手―「東アジア共同体」を構想する手がかりとしての「文化の役割」;破壊のなかの「奇妙な発展」―二十世紀末の東南アジアで;グローバル化の中の二つのアジア―「大きな幸福」と「小さな幸福」、二十一世紀初めのアジアで;アジア「都市文化」大競合時代の到来?―二十一世紀初頭の上海で;異文化理解と相互交流―東アジアと「地域研究」の課題)
第2部 近代日本のアジア認識(『文明論之概略』と『東洋の理想』―近代日本のアジア認識;「民族」と「アジア」から見た近代日本)
第3部 「現代文明」の破綻と「文化の力」(現代文明の破綻―「9・11」の教訓;「クールパワー」の創造;アジアの大学―その発展と問題;ユーラシア時代を見据えて)
補論 文化政策と東アジア(日本の文化政策の進路と日本文化政策学会への期待;「東アジア現代文化圏」の形成と日本)
著者等紹介
青木保[アオキタモツ]
1938年生まれ。東京大学大学院修了。大阪大学で博士号取得(人間科学)。大阪大学教授、東京大学教授、政策研究大学院大学教授、法政大学教授、早稲田大学教授を歴任。大阪大学、政策研究大学院大学、中国社会科学院、北京外国語大学等の名誉教授。この間に、ハーバード大学、パリ社会科学高等研究院、コンスタンツ大学等で客員研究員・客員教授、日本民族学会(現日本文化人類学会)会長を務める。文化庁長官を経て、青山学院大学大学院特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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