冬の兵士―イラク・アフガン帰還米兵が語る戦場の真実

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000246514
  • NDC分類 936
  • Cコード C0036

出版社内容情報

上官は言った。「最初の殺しがナイフで出来たら、休暇日数を増やしてやる」。想像してほしい。息子が娘が友人が恋人が、このような状況におかれたら。そして、その状況に生きるしかないイラクの人びとを。占領の実態、軍隊の異常さ、自らの罪を証言し立ち上がった「冬の兵士」たち。いま、戦争を終わらせるための闘いがはじまる。

内容説明

二〇〇四年に発足した反戦イラク帰還兵の会(IVAW)。「イラクからの即時無条件撤退」「退役・現役軍人への医療保障その他の給付」「イラク国民への賠償」の三つを掲げて行動を開始したIVAWは、二〇〇八年三月、「冬の兵士」と題した公聴会を開催した。―多くの兵士が戦場の実態を告発した。その証言をまとめたのが本書である。

目次

第1章 交戦規則
第2章 人種差別と非人間化
第3章 民間人の証言―イラクの犠牲
第4章 分断し、統治せよ―ジェンダーとセクシュアリティ
第5章 帰還兵医療の危機と祖国における戦争の犠牲
第6章 企業による略奪と米軍の崩壊
第7章 GIレジスタンスの将来

著者等紹介

グランツ,アーロン[グランツ,アーロン][Glantz,Aaron]
フリー・ジャーナリスト。2003年から2005年にかけてイラク国内から精力的に報道し、帰国後は退役軍人問題を取り上げてきた。プロジェクト・センサード賞、調査報道記者編集者の会フリーランサー特別研究奨励賞、カリフォルニア・ジャーナリズム賞の各賞受賞。現在、カーター・センターの精神衛生プログラム及びコロンビア大学教員養成大学の特別研究員も勤める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

146
イラク戦争帰還兵の話をまとめたもの。恐ろしい本だった。米軍は軍隊というより愚連隊。自国の軍の規律も護れない国が他国の防衛にあれこれ口を出していたとは。事前に酷いとは聞いていたが、乱れ方は半端ではない。世界の警察を自称していた国とはこんな国だったか。戦場での死傷より帰還兵の自殺の方が多いとは。2016/03/25

James Hayashi

36
イラク・アフガンから帰還した米兵と一部イラク人の体験した事が公聴会で語られ纏められたもの。米兵はテロリストと戦っているようであったが、本物のテロリストは自分たちであったことに気付く。多くの無実のイラク人を殺し、無法地帯化となった戦場。実際イラクに大量破壊兵器はなかった!米軍兵士も戦う意識を見出せず、もしくは嫌戦気分からか5361名が06年だけで逃亡したという。無駄死になる事を悟ったのだろう。帰還兵の多くはPTSD。兵を派遣しながら、コントロール出来ずじまいの米軍。ベトナムの二の舞。責任は誰が取るのか?2019/03/28

たぬきオヤジ

20
イラク帰還兵や犠牲になった民間人などへの公聴会の模様をまとめたドキュメンタリ。米軍は他国の防衛に色々と口を出すものの、自国の軍紀も徹底出来てはいない。いろいろと参考になる本。自衛隊は世界的に規律が良く行き届いていると言われる。日本が戦闘に派遣されないから、なのかもしれない。2020/09/14

sasha

13
イラク戦争の前線では何が起こっていたのか。実際にイラクへ派兵され自らもイラクの一般人に銃口を向けた兵士たちが公聴会で証言した貴重な記録だ。ヴェトナム戦争でもアメリカ軍は多くの一般のヴェトナム人を虐殺した。歴史は繰り返す。それも最悪な部分を。言語も文化も十分に理解せず派兵される兵士たち。帰還すれば心的外傷後ストレス障害を発症するが、十分な医療保障も受けられない。そして、自由どころかアメリカによる新たなる暴虐にさらされるイラクの人々。欺瞞に満ちた戦争にいち早く支持を表明した時の日本政府。彼らの声に耳を傾けよ。2019/01/19

おじ

8
ジョージ・オーウェル「虚偽がまかり通る時代には、真実を語ることは抵抗の行為となる」アメリカン・スナイパーにも通じる「戦場が人に与える影響」のテーマ。映画キャプテン・アメリカの副題はここから取ったのね。そもそも殺したり殺されたりが当たり前の世界でまともでいられるはずがないんだよな・・・兵士だけでなく戦闘に巻き込まれた現地民の証言も載っているのには驚いた。理不尽な命令、隊内での同調圧力、優しい人ほど辛い世界だと思う。帰国した後でもトラウマは残り続け、彼らを苦しめている現状。2015/04/30

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