内容説明
戦中・戦後の在日社会、それを取り巻く日本社会を生々しく伝えてくれる、ハルモニ(おばあさん)たちの「苦労自慢」「貧乏自慢」。言葉もわからず工場で働かされた少女、海を渡って嫁いだ初日から暴力を受けた女性、博打場に入り浸り「女遊び」に耽る夫の端で一人出産・子育て・商売を行う女性、家族の離散、被災…。想像を絶する苦難、暴力を乗り越えてきた彼女たちの人生譚は、たくましくもユーモラスな「生への意地」に満ち溢れている。そこには、日本人こそが見過ごしてはならない歴史があった。
目次
1 小さな労働者
2 他郷暮らし
3 異郷の戦争
4 ヒロシマ
5 苦労自慢
6 「闇の舟」
7 ハンセン病療養所で
8 鴨川・高瀬川沿いの家々
9 戦争も津波も生き抜いて
10 離散
11 窓ガラスのない教室
12 フクシマ
著者等紹介
川田文子[カワタフミコ]
ジャーナリスト。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務を経て文筆業に。日本の戦争責任資料センター共同代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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