出版社内容情報
「内政干渉の禁止」原則は、最も根本的な国際法規範の一つであるが、現実の国際社会で遵守されていないとか、そもそも適用が困難といった指摘もなされている。それは何に由来するのか。この原則の形成・発展過程史を探究。国際法の構造に立ち返った考察を加えて、通説の問題点を抉り出し、国際法の新たな見取り図を提示する画期的研究。
内容説明
「内政不干渉原則」は、最も根本的な国際法規範の1つであるが、現実の国際社会で遵守されていないとか、そもそも適用が困難といった指摘もなされている。それは何に由来するのか。この原則の形成・発展過程史を、国家実行と学説の両面から探究。国際法の構造に立ち返った考察によって、通説の問題点を抉り出し、国際法の新たな見取り図を提示する画期的研究。
目次
序章 問題の所在
1 国家実行における干渉の規制(19世紀ヨーロッパにおける不干渉原則;20世紀米州における干渉の法規制)
2 学説における干渉に関する国際法規則の発達(「命令的介入」としての干渉とその原則的禁止;学説における国内管轄事項概念の導入)
3 結論(冷戦期における不干渉原則)
終章 検討の結果
著者等紹介
藤澤巌[フジサワイワオ]
千葉大学大学院社会科学研究院教授。1997年東京大学教養学部卒。2004年東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程単位取得退学。博士(学術)。国際法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
27
内政不干渉は国際法の原則の一つでありながら容易に破られる印象がありましたので興味をもって読みました。干渉を規制していく部分の関連性が難しいところがありましたが、面白かったです。2023/02/28
BLACK無糖好き
22
国際法の根本的な規範の一つである「内政不干渉原則」については、現実の個別具体的な国家の行為の適法性を判断する基準として利用できないとの指摘が予てからある。本書はこの原則の発展過程を国家実行と学説の両面から考察し、適用の困難さを探る。この不干渉原則が不確定な法概念を内に含んでおり、各国による、一方的な不干渉原則の適用にもつながる問題も内在しているようだ。◆興味深いテーマではあるものの、かなり自分には難しかった。学説上の様々な概念の説明も多く、すんなりとは頭に入ってこなかった。2023/01/27