内容説明
背教者とされ、新しいカルトを創設した男、魔術によって癒し、偶像崇拝のかどで石打ち刑に処された娼婦の息子、彼は、永遠に地獄に囚われている…転倒されたイエス像は、キリスト教の中心を撃とうとする洗練された闘いの跡であり、緻密に構想された対抗神話である。ここに読み取れるものとは何か。ユダヤ教文献の校訂・翻訳の蓄積を踏まえ、いずれにも偏することのない学問的立場から、宗教間闘争の実像に迫る。反ユダヤ主義を超えるために。
目次
第1章 イエスの家族
第2章 悪に走った息子・弟子
第3章 軽薄な弟子
第4章 トーラーの教師
第5章 イエスの名による癒し
第6章 イエスの処刑
第7章 イエスの弟子たち
第8章 地獄でのイエスの処罰
第9章 タルムードの中のイエス
補遺 パビロニア・タルムードの諸写本と検閲
著者等紹介
シェーファー,ペーター[シェーファー,ペーター][Sch¨afer,Peter]
1943年生まれ。ボン大学、ヘブライ大学、フライブルグ大学にて、神学、哲学、ユダヤ学、新約聖書学を修める。1973年、フランクフルト大学にて大学教授資格取得。コローニュ大学ユダヤ学教授、ベルリン自由大学ユダヤ研究所にて教授と所長を兼任、98年以降はプリンストン大学のユダヤ学・宗教学教授を、2005年から同大学のユダヤ学課程所長を務める。ヘーハロート文学関連テクストの翻訳と共観書、コンコーダンスの出版、エルサレム・タルムードの共観書や魔術文書の出版など、基本文献の公刊において多大の貢献をする
上村静[ウエムラシズカ]
1966年生まれ。専攻、ユダヤ学・聖書学。1994年、ヘブライ大学に留学。ユダヤ学を専攻する。2000年、東京大学大学院人文社会系研究科宗教学宗教史学専攻満期退学。2005年、Ph.D.取得(ヘブライ大学)。現在、立教女学院短期大学准教授
三浦望[ミウラノゾミ]
聖心会会員。専攻、新約聖書学。現在、聖心女子大学文学部哲学科専任講師。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程在学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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- 和書
- 建築家吉田五十八