内容説明
最も日本的にして、最も世界的な建築家のはじめての評伝。近代数寄屋を創始し、日本人の住生活を一変させた建築家の７９年の生涯と仕事。
目次
１ 吉屋信子邸
２ 東京美術学校
３ ヨーロッパ
４ 藤沢商店
５ ブルーノ・タウト
６ 稀音家六四郎邸
７ 川合玉堂画室
８ 建築知識・時評
９ 岩波茂雄別邸
１０ 二宮・吉田邸
１１ 吉田五十八建築作品集
１２ 歌舞伎座
１３ 料亭・つる家
１４ 中村勘三郎邸
１５ 大和文華館
１６ 中宮寺本堂
１７ 外務省飯倉公館
１８ 孟宗竹
１９ 日本橋
２０ 松廼寿翁三番叟
２１ 吉田茂
２２ 吉田五十八賞
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koki Miyachi
2
日本建築に近代性を与えるという革新を目指した建築家の人生。戦後の建築界にあって、なかなか正当な評価がされなかった。新しい数寄屋建築を作るという方向性は近代建築の流れからいうと地味だ。彼の建築の考え方、美学を知ると全く違う世界が見える。スタイルを追うのではなく、用と美、和と洋、伝統と現代を考えた孤高の建築家なのだ。吉田五十八を愛した建主は、その時代の一流の人達ばかり。彼が目指した世界を理解して愛して止まなかった人は多い。自分の進む道を信じて自分の力を出し切る吉田五十八のような建築家になりたい素直にそう思う。2012/12/24
