テレビは戦争をどう描いてきたか―映像と記憶のアーカイブス

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  • サイズ B6判/ページ数 444,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000240154
  • NDC分類 699.64
  • Cコード C0036

内容説明

二〇世紀は戦争と核の時代であると同時に映像の世紀でもあった。映像は事実を発掘し隠蔽すると同時に、記憶を喚起し定着させ、場合によっては偏見を固定化させる。その限界と可能性のなかで、テレビ・ドキュメンタリーは、近代以降の日本の戦争をどう描き、あるいは描いてこなかったのか。迫りくる過去の声は、いかにすればモノローグからダイアローグへ、さらにポリローグへと開かれていくのか?数々のNHKドキュメンタリー番組制作に携わってきた現役のプロデューサーが、半世紀の番組を総覧しつつまとめる体験的ドキュメンタリー論。戦争関連テレビ・ドキュメンタリー番組年表を付す。

目次

第1部 アジア・太平洋戦争(モノローグに閉ざされて;戦場で何があったのか ほか)
第2部 原爆はどう記憶されたか(被爆者たち;原爆論争 ほか)
第3部 引き裂かれた人びと(冷戦の体験者;太平洋の戦場)
第4部 昭和史のなかの天皇(儀式のなかの天皇;二・二六事件と天皇 ほか)
第5部 戦争責任と戦後補償(中国の中の日本人;アジアは問いつづける ほか)

著者等紹介

桜井均[サクライヒトシ]
1946年生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒業後、1969年、日本放送協会(NHK)入局。現在、NHKスペシャル番組センター、エグゼクティブ・プロデューサー。この間、主に教養番組、ドキュメンタリーなどの制作にあたる。著書に、『埋もれたエイズ報告』(三省堂、1997年)、『テレビの自画像』(筑摩書房、2001年)などがある。制作を手がけた/関わった主要な番組―ドキュメンタリー『皿の碑』(1974年、第1回放送文化基金賞)、ルポ・にっぽん『米ソ艦艇謎のUターン』(1982年、文化庁芸術祭賞)、NHKスペシャル『チョウ・ムンサンの遺書』(1991年、放送文化基金賞個人賞)、『東京裁判への道』(1992年、放送文化基金大賞)、『埋もれたエイズ報告』(1994年、日本ジャーナリスト会議大賞、放送文化基金賞)、『アフリカ・21世紀』(全3集、2002年、放送文化基金賞、放送文化基金個人賞)、『アフリカ・ゼロ年』(全4集、2005年、ギャラクシー賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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更紗蝦

10
戦後に放送されたテレビ・ドキュメンタリーで「何が描かれ、何が描かれなかったか」を検証することによって、それぞれの番組が放送された時期の「時代の制約と限界」や「ジャーナリズムの果たすべき役割」を浮き彫りにしています。90年代に入ってから日本の戦争犯罪に関する番組が数多く放送されていますが、これは、冷戦の終結により資料が続々と出て来た事や、南アフリカのアパルトヘイトや旧ユーゴやルワンダの集団レイプに「人道に対する罪」が適用されたことによって改めて過去の戦争犯罪が注目されるようになった事が関係しています。2017/09/07

ひろただでござる

0
編集者の主観にたいそう左右されるテレビ報道。テレビは見ないので規定の結末に誘導されることはあまりないと思ってはいるが、こういうのを読むとげんなりしてしまう。2006/09/26

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