内容説明
2008年9月、東金市の住宅街で女児の遺体が発見される。逮捕された青年には、軽度の知的障害があった。取り調べ、起訴、精神鑑定、公判前整理手続、一審から最高裁に至る一連の司法手続きで、いかなる事態が起こり、何が争われたか。無罪主張の撤回と主任弁護士の辞任をもたらした弁護団との「コミュニケーション」の困難。裁かれることにおける被告Kの当事者としての意思決定、その「自由」と「責任」に起因する根本的な矛盾とジレンマ…。いま、刑事司法と障害者福祉が向き合わねばならない新たな難問が浮き彫りにされる。
目次
第1部 公判まで(「聞き方を工夫しないと迎合的な答えになってしまう」―犯人逮捕と取材の始まり;「ほんとうに女児「殺人」事件だったのか」―いくつかの疑義;「公訴事実三件ともに犯人性はない」―記者会見、そして主任弁護士の辞任;「無罪主張も検討中のひとつだった」―新弁護団の見解その1)
第2部 何が裁かれたのか(公判開始―「間違いありません」;「裁判を受けるのは女の子に謝るためです」;鑑定医が見る「知的障害」と訴訟能力;「証拠のひとつをどうしても覆すことができなかった」―新弁護団の見解その2)
第3部 一審判決から最高裁まで(遺族が訴えたこと―「真摯な謝罪も反省も見られない」;刑の確定―「信じられないです。まったく自分のなかで消化できずにいます」;弁護団への人材から)
著者等紹介
佐藤幹夫[サトウミキオ]
1953年生まれ。フリージャーナリスト。批評誌『飢餓陣営』主宰。更生保護法人同歩会・評議員。自立支援センターふるさとの会・相談室顧問。更生施設「かりいほ」人材育成研修会研究委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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