対象関係〈上〉

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  • サイズ A5判/ページ数 272p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000237727
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C0011

内容説明

精神病に関する議論を踏まえ、フロイト精神分析理論の根幹をなす「象徴界」「想像界」「現実界」という区分に添って対象を捉えることで、欲望の形成と対象の成立がどのように関わるのかについて考察。エディプス・コンプレックスや去勢コンプレックスなど、語られることが多いにもかかわらず必ずしも十分理解されていないフロイトの概念について平易に解説。中後期ラカン理論において最も重要な鍵概念となる「対象a」という考え方を理解するうえで必須の前提となる議論を展開。上巻では、いかにして主体が成立し、欲望が生ずるのかをめぐって考察する。

目次

対象欠如の理論(イントロダクション;対象欠如の三形態;シニフィアンと聖霊;フラストレーションの弁証法;「バンドリング」としての精神分析とその帰結)
欲望のいくつかの倒錯的な道(ファルスの優位と若い同性愛女性;『子供が叩かれる』と若い同性愛女性;ドラと若い同性愛女性)
フェティシズムの対象(ヴェールの機能;ファルスへの同一化;ファルスと満たされない母)

著者等紹介

ラカン,ジャック[ラカン,ジャック][Lacan,Jacques]
1901‐1981。フランスの精神分析家。パリに生まれ、パリ大学で精神医学を修め、主にパラノイアを研究。第二次大戦後、フロイト理論をラディカルに展開し、有名な「鏡像段階論」をはじめとする自我や無意識の構造主義的探究によって、精神の科学に新たなる地平を拓いた。1964年にはパリ・フロイト派を創設し、その後のフランス精神分析の隆盛に決定的な役割を果たす

小出浩之[コイデヒロユキ]
1943年生まれ。精神科医。岐阜大学大学院医学系研究科・精神病理学分野教授

鈴木國文[スズキクニフミ]
1952年生まれ。精神科医。名古屋大学医学部保健学科教授、同大学学生相談総合センター長

菅原誠一[スガワラセイイチ]
1970年生まれ。精神科医。フランス政府給費留学生(パリ、サンタンヌ病院)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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5
対象関係とは、エディプス前の主体(赤ちゃん、幼児)と母親との関係のことであるが、それが対象と呼ばれているのは母親との関係というより、乳房なり声なり子供が母親像を統合する以前の部分対象との関わりから母親というものを認識するまでを考えるからである。アバウトに言えば言語が不十分な状態なので多分に空想的に語らざる負えないのだが、ラカンは想像的にではなく象徴的に子と母の繋がりを、言語活動の構造から捉えようとする。上巻は象徴的母なる言葉の意味、呼び掛けに答えるものという幼生成熟に裏打ちされた人間の条件を捉えたら 2022/09/22

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