感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
61
岩波書店から出ている旧約聖書の解説のような本でした。おそらく補足として書かれたものだと思います。翻訳にまつわる色々な話がなされているので、旧約聖書翻訳委員会による旧約聖書を読んでいないので少し理解に困難なところもありましたが、旧約聖書のエッセンス的側面を見ることができました。「異読・転釈解説集」は参考になります。2016/05/02
きゃんたか
15
その強面に恐れをなし、やや投げ遣りに読んでいた旧約聖書。そこに学術的翻訳という新たな光を照らし、古代人の息遣いを忠実に蘇らせた良心的好著。アダムに始まる秩序の綻びは、カインの殺人、洪水事件、バベルの危機に瀕して極点を迎える。アブラハムからダビデに続く契約の更新は単なる歴史の延長ではなく、身勝手な罪に怒れる神と取り成す人との親密な対話の賜物だったのだ。ハンナとマリアに顕著な古典的聖女のイメージは、女同士の確執や内に秘めた悲痛を厳密に炙り出して原意の救済を果たす。翻訳の是非が読書の命運を分かつ好例が目白押し。2017/09/01
しいかあ
3
旧約聖書翻訳委員会訳による旧約聖書訳者あとがき集のような本。主に翻訳にまつわるエトセトラが語られている。2015/05/22
ぼけみあん@ARIA6人娘さんが好き
2
岩波書店版旧約聖書の訳者達による解説。翻訳で注記できなかった部分を突っ込んで解説しており、しかも巻末に「異読・転釈解説集」もあって参考になる。内容も興味深く、また、あまり厚い本ではなく手頃なため、思った以上に読みやすかった。続けて新約編を読み進む予定。2012/08/31