出版社内容情報
西洋と日本の絵画・彫刻50余点(オールカラー)を掲げ,各時代・各地域の人びとの生・病・老・死を語る.「イエスの集団はまず医療集団だった」-意外な事実を含め,筆者は各作品を読みこみ,現代医療をも問う.
内容説明
古今東西の作品に生・病・老・死を読み解く。医学史家による美術エッセイ。
目次
西洋編(古代ギリシアの奉納板・夢と現実、医の原景;古代ギリシアの壷絵・人間愛あるところ;古代ギリシアの墓碑・死者と生者の共存;「エヒテルナッハ福音聖句集」・神の手、人の手 ほか)
日本編(興福寺「阿修羅」・共悲共苦、切ないまなざし;「源氏物語絵巻」・王朝人の生と死;「病草紙」・絵巻に描かれた眼病手術;永観堂「みかえり阿弥陀如来」・慈悲、ふり返る姿勢 ほか)
著者等紹介
立川昭二[タツカワショウジ]
1927年生まれ。早稲田大学文学部史学科卒業。現在、北里大学名誉教授。医療史、とくに文化史・心性史の視座から病いや死を追究。主な著書に『歴史紀行 死の風景』(朝日新聞社、サントリー学芸賞受賞)など
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感想・レビュー
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やいっち
59
学生時代から立川 昭二の本のファン。本書を読んでいたら、「宝泉寺蔵地獄極楽図」のうちの一つに出会った。 極楽はともかく地獄(図)には小生は一方ならぬ馴染み(思い出)がある。 残念ながら上掲の本に掲げてある絵図はネットでは見出せなかった。 それでも、この「宝泉寺蔵地獄極楽図」をめぐって、せめて多少のことでもメモしておきたい。 以下、ブログにて: http://atky.cocolog-nifty.com/manyo/2008/10/post-3c11.html 2008/10/16
かふ
19
西洋芸術と日本芸術(仏像もあった)の生と死の芸術。西洋芸術の方はわりと目にするものが多かったようだが、日本芸術の方は当時の社会情勢がリアルに伝わってくる。女形の歌舞伎役者の足の切断手術とか(大医師ギボン先生による)、吉原の梅毒検査とか、竹久夢二は美人画ではなく老衰の爺さんを看取るデッサン。一番感動したのは興福寺の阿修羅像か。そんな悲しい顔するなよ、的な慈悲の心だという。ネットで調べたらみうらじゅんのファンクラブや高見沢俊彦の歌まであった。2024/12/22
キムチ
13
筆者立川氏は、ここのところ、お気に入り。医療史の学者だが文化史と絡め生老病死を面白く説いてくれる。 図書館で借りたものだが買うとなかなか高価。しかし、図版は非常に美しく、紙も上質。文章は冷徹、真摯、歴史に造詣が深い事を十分感じさせてくれた。西洋と日本双方を語り時代は古代から近代まで多彩。 医療と宗教の蜜月時代、見えないものへの不安におののきつつ呪術にすがらざるを得なかった人々の表情等、行きつくところまで求めてやまない現代人には一見の価値あり。個人的にはヨーロッパ中世のシニカルな絵画が好き。2013/08/31
Rinopy
3
生と死って人間の永遠のテーマだからこそ文章や音楽や美術に取りあげられるんでしょうね。グランマ・モーゼスが自伝に書いた「自分の生涯は一生懸命に働いた一日のようなもの」というコメントには感動しました。モーゼスおばあちゃんの言う通り人生は自分で創るものだし、それを良くするのも悪くするのも結局自分だよね。2010/12/17
Masa
2
現代ほど医療技術、医療設備が整っていない時代では、病は直ぐ隣にいて、死は遠慮会釈も無く、日常に入り込んでくる。人間の凄いところはそれを絵にする、ということである。何故これを絵に?人がいる限り、絵の題材に飽きることは無い。 2019/04/30
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