内容説明
国民国家や市民社会の「よそ者」として排除され、不安定な生を強いられる人々。排除の根源にある「主権」の論理に対置すべき「歓待」の原理とは何か。排除に抵抗する実践の理路はどのようなものでありうるか。デリダ、サイード、シュミットらのテクストと向き合い、世紀転換期の激動を凝視しつつ、来るべき世界の予兆を探る繊細な思索の記録。
目次
1 歓待の思考(歓待の思考;ある情動の未来―“恥”の歴史性をめぐって;コロニアリズムとモダニティ;市民キャリバン―エルネスト・ルナンの哲学劇をめぐって ほか)
2 抵抗の理路(一九六四年の「少国民」;旗のかなたの回想―日の丸はなぜ「おめでたい」のか;独立を発明すること―コージ・タイラ「琉球独立の新視点」を読む;九月一一日の「結び目」 ほか)
著者等紹介
鵜飼哲[ウカイサトシ]
1955年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、一橋大学大学院言語社会研究科教授。フランス文学・思想専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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