出版社内容情報
昨年惜しまれつつ天寿を全うした、戦後を代表する文芸評論家の一人、高橋英夫氏。本や雑誌、レコードに囲まれた静謐な生き方、特に作家や評論家、編集者との交流は、まさに「文人」としてのものだった。生前に本にまとめられることのなかった新聞・雑誌に残された多くのエッセイから、その人となりを偲ぶ。解説、堀江敏幸氏。
内容説明
爽やかな五月、屋外でも気持ちよく読書ができる季節。理屈っぽい本でなく、古書目録を眺めていると、そこで紹介されている本に、亡き父の蔵書を見つけた―読書の豊かな楽しみ、同時代の文人の肖像を描くなどした、高橋英夫氏の単行本未収録エッセイ集。
目次
1 本の周辺(私と全集;『創元』のこと ほか)
2 芸術と親しむ日々(クレーの月;マラルメの遺品 ほか)
3 文人の交流(ことばと批評のドラマ―大岡信;「空は鏡」青層々―清岡卓行 ほか)
4 私という存在(筆の遊び;わが桃源郷 ほか)
著者等紹介
高橋英夫[タカハシヒデオ]
1930年生まれ。2019年、88歳で逝去。東京大学文学部独文科卒業、文芸評論家。1985年『偉大なる暗闇』で平林たい子賞、2010年『母なるもの―近代文学と音楽の場所』で伊藤整文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mick
1
文学、絵画、音楽、など取り上げられる内容は様々、どれも著者の好みと分析がされ興味深い。Ⅳについては試験問題文となりそうだと思いながら読み進めた。2020/09/11
るな
0
川本三郎が敬愛していた評論家のエッセイ。この本に登場する文筆家は、いずれも畏れ多いレベルのインテリゲンチア。高橋さんが自身の若き日々を思い起こす叙述に接すると、ほぼ同じ世代に属する亡き父の青年期の面影が重なって想像される。著名な評論家と父を並べて語るのはおこがましいけれど、かつてウィリアム・ブレイクの研究もしていた父に宿る詩魂も高橋さんの文章中に見出される。同世代人に共通する人生の歩み方があったのではないか。そして高橋さんや父のように純度の高い本との向き合い方は子ども世代の私達にはとても出来ないとも思う。2024/09/20
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