出版社内容情報
今の日本で、実際に「幸せ」を感じているのはどのような人びとか、何が人びとの「幸福感」を左右するのかを、古代ギリシアに始まる「幸せ」に関する様々な考え方を踏まえ、経済学と社会学のツールを用いて明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りょうみや
15
タイトルから統計データだけの内容と思いきや、幸福に関する哲学・思想史と幸福に関連深い経済成長についてそれぞれ1章ずつあり、幸福について多面的に捉えている。世帯所得、仕事のやりがい、余暇と幸福感との関連も示されているが、最後にある個人の性格(ビッグファイブ)と幸福感との関連も面白い。誠実・開放的・外向的・楽天的・調和的な人は他人とよい繋がりを作ることができ仕事も楽しめ、幸福感を得やすい。それらはある程度は遺伝で決まってしまう。2019/01/17
朝ですよね
4
意外な結果はあまり無かった。ギャンブルは人を不幸にする。2024/10/26
四ツ谷
2
人類の幸福とは普遍的に何を指すか、統計がないか気になったので本書を選んだ。ゴールドバーグによる提唱「ビッグ・ファイブ」によれば、幸福は誠実性、開放性、調和性、外向性、神経症傾向の5つのパーソナリティの要素からなるとのこと。本書は幸福論ではなく幸福とは何を定義し、どのように感じるものであるかを解説している。哲学史的、心理学的、アンケートによる統計から評価値を踏まえて分析していることから科学的な定義がされていて面白い。個人的には幸福は人は何に執着するのかという仏教的アプローチがあるとなお腑に落ちた(ヽ´ω`)2024/05/05
moto
2
日本人の幸福感について統計分析を行い、どんな人が幸福を感じているのかを考察しています。年収が高い人は幸せなのか、幸福感の高い人の趣味、雇用関係別の満足度等、幸福感との相関関係を知ることができます。個人的には、幸福度と負の相関関係がある趣味についての内容が面白かったです。とりあえず、ギャンブル、ゲームは控えようと思います。2018/11/04
Taka
0
単純な経済とかアンケート調査だけでないのがこの本のいいところ。例えば労働について。ギリシャ文化では労働は奴隷のするもので見下されたものだった。キリスト教の教えで初めて労働の肯定が始まり、現代は「やりがい搾取」と揶揄されるように労働にやりがいを与えようと幸福の捉え方を進めようと動いていた、という感じで幸せや働くことの捉え方の解説がありとても学びがあった。逆に余暇の過ごし方についての統計の紹介もあったが、これはまぁ何で幸福を感じるかはその人次第なので、あんまり参考にならないかも。でも興味深い内容。2023/08/31
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- 九州・沖縄食文化の十字路