軍人皇帝時代の研究―ローマ帝国の変容

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  • サイズ A5判/ページ数 226p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000226226
  • NDC分類 232.8
  • Cコード C0022

出版社内容情報

皇帝が乱立する混乱の軍人皇帝時代に元老院に代わって台頭した騎士身分の実態とは何か。
その解明を端緒に、従来は単に過度期と見なされてきたこの時代に帝国の統治構造が決定的に再編を遂げたことを論証する。気鋭の画期的論考。

内容説明

二世紀余にわたって平和と繁栄を享受してきたローマ帝国は、三世紀半ばに至って未會有の混乱期に突入する。軍隊によって擁立された皇帝が次々と帝位に登っては倒れてゆく政治的混乱のなか、伝統的な支配層であった元老院に代わって新たに台頭した騎士身分とは何だったのか。その実体の解明を端緒として、これまでローマ史研究史上、単なる過渡期と見なされてきた軍人皇帝時代に、じつは帝国の統治構造が決定的再編を遂げていたことを論証する。時代像の修正を迫る気鋭の画期的論考。

目次

軍人皇帝時代の政治史研究―その課題と射程
1 「騎士身分の興隆」再考(「ガリエヌス勅令」をめぐって―騎士身分興隆の実像;プロテクトルの変遷;機動軍の形成―ガリエヌス帝の「騎兵軍改革」について;パルミラの支配者オダエナトゥスの経歴―ウァレリアヌス帝期以後の地方軍事体制)
2 イリュリア人のローマ帝国(イリュリア人皇帝支配下のローマ帝国―二六八~二八四年;タキトゥス帝即位の謎―軍・元老院関係の一断面;軍人皇帝時代以後の「イリュリア人」)
イリュリア人の興亡とローマ帝国の変容

著者等紹介

井上文則[イノウエフミノリ]
1973年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。古代ローマ史。現在、筑波大学大学院人文社会科学研究科講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヨシツネ

2
アウレニアヌスがいなければパルミラが勝っていたのになー2018/06/24

白神 健吾

2
今回はゼミでこの本の作者でもあり、去年授業でお世話になった先生の論文をレジュメにまとめていく上で読んだ本。 軍人皇帝時代の研究をしている研究者は数少なく、また、史料も少ない中でとても読みやすい本であった。2015/06/23

ピオリーヌ

1
https://www.iwanami.co.jp/book/b261610.html 私の言葉で語るのもおこがましいので、著者ご本人の言葉を岩波書店サイトから引用。「難しい言葉や概念はほとんど使っていません.タイトルはいかめしいですが,どなたでも気軽に手にとっていただける内容になっていると思います.」確かに非常に読みやすい。そして軍人皇帝時代への興味がさらに高まる。2018/11/21

Doederleinia berycoides

1
ササン朝ペルシャに負けたイメージが強いウァレリアヌス帝が、実は重要な政治的取り組みを行っており、息子のガリエヌス帝と同様にポジティブな意味で注目すべき存在であることが感じられた。 記述が丁寧で、巻頭に時代の概略史もあるので理解しやすかった。 イリュリア人とその皇帝について知りたかったので内容にとても満足できた。驚いたというか楽しめたのは、衰退の時代なのにも関わらずイリュリア人皇帝に率いられたローマ軍団がかなり強かったこと。2011/07/29

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