近代日本の国際秩序論

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  • サイズ B6判/ページ数 286,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000225601
  • NDC分類 319.1
  • Cコード C0031

出版社内容情報

近代日本の様々な論者による国際秩序論の形成過程を、同時代の内外の学知との連鎖において捉え、国際政治学―植民地政策学―国際関係論の系譜をたどる。そこから今日の市民社会論や国際的社会連帯論が導かれる。

内容説明

吉野作造・新渡戸稲造・泉哲・矢内原忠雄・橘樸・平野義太郎・信夫淳平・蝋山政道・横田喜三郎・田畑茂二郎・矢部貞治・岡義武・丸山眞男。戦間期の国際主義と帝国主義の狭間で、彼らはいかなる国際秩助構想を紡ぎだしたのか?戦後日本は、戦前・戦中期の国際秩序論から何を継承したのか?理想主義と現実主義、大正アナキズムとアジア主義、社会民主主義と帝国秩序、広域秩序論とナショナリズムなど、政治思想と国際政治のさまざまな交錯から、日本の経験を検討する。近代日本の国際秩序論の展開を、思想史的文脈と政治史的文脈の双方から捉え、二〇世紀思想史のなかに国際関係論の系譜を位置づける新たな試み。

目次

序章 国際秩序論と近代日本研究
第1章 戦後外交論の形成―「理想主義」と「現実主義」の系譜学的考察
第2章 古典外交論者と戦間期国際秩序―信夫淳平の場合
第3章 「東亜協同体論」から「近代化論」へ―蝋山政道における地域・開発・ナショナリズム論の位相
第4章 アナキズム的想像力と国際秩序―橘樸の場合
第5章 「帝国秩序」と「国際秩序」―植民政策学における媒介の論理
第6章 日本外交史の「旧さ」と「新しさ」―岡義武「国民的独立と国家理性」再訪

著者等紹介

酒井哲哉[サカイテツヤ]
1958年生。東京大学法学部卒。東京大学教養学部教授。日本政治史専攻。著書に『大正デモクラシー体制の崩壊―内政と外交』(1992年、東京大学出版会。吉田茂賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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spanasu

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戦前、戦中、戦後それぞれにおいて、日本における国際秩序論の系譜を描く。私個人としては、後藤新平について調べていたことから、後藤につながる人物が多く興味深かった。第一章では安易な「現実主義」と「理想主義」の二項対立に疑問を呈する。国際秩序論において主権論への批判が生じていた中で、大正期に「社会の発見」が起き多元主義の考えが主流となり、そこには大正期アナーキズムとの強い連関がある。蝋山のように、多元主義の考えは日本を指導国とする地域主義へと繋がり、矢内原のように国際主義と帝国主義が同一人格のなかで共存する。2019/09/24

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